
「おとうさん 大きくなったらいっしょに飲みにいこうね」
銀座のビルをマンションに改装した部屋で在宅の建築設計士の父親と二人で暮らす10歳の賢い女の子・佐那子ちゃんの、父親やご近所の人々との日々を描いた父娘もの短編集。
「はいからさんが通る」で著名な大家・大和和紀の80年代後半の「眠らない街から」「A列車で行こう」の2冊を、394ページに及ぶ完全版として1冊に。
母が買ったのかな、「A列車で行こう」がなぜか実家にあったのを久しぶりに読みたくなって半ば買戻し的に。
空中庭園のような美しい部屋、都会のど真ん中の大家族のような住人達、月下美人の花と母親の秘密、スナックで佐那子ちゃん送別会、A列車に乗った老人、緑の手と11月の扉、大晦日にクラスの男の子と家出、子どもの目からみた世界の理不尽。
お気づきの方はお気づきの「Papa told me」とほぼ同じ設定、集英社と講談社で雑誌掲載開始時期もほぼ同時期の作品。
Papa told me 眠らない街から - Google 検索
古い話なんで経緯は知りませんが、今なお続く日常ものの「Papa told me」に対して少々ドラマチックな展開で、読み比べてみても楽しい1冊。
aqm.hatenablog.jp