


「まるで夢みたいな話だが それならそれでいいじゃないか
夢だっていいではないか…」
前の記事で「夢だっていいじゃない」と書いたら読みたくなったのでkindleで買い戻し。「花とゆめ」の大作家の大名作。なぜかマイナー作だと思われがちなのがやや不思議。
教員採用試験の面接で「良妻賢母or勉学?」と問われ「勉学」と答えたら不合格だった作者のコンプレックスに満ちた描写のお嬢様学校、に紛れ込んでしまった3人の猫かぶり女子高生を主人公とした80年代後半に描かれたコメディ漫画。
3人のうちの1人、史緒の転入から3人の卒業まで。
「夢だっていいじゃない」は最終話のタイトル。このタイトルほんと好き。
母子家庭の母の死を契機に、名家の跡取りで小説家の生き別れの兄と再会した史緒。そのシスコン兄の奇妙な嫁探しとその理由。
「私は…私はあの時 泣かなかったけどさ
兄ちゃんの背中を見ながら歩くうちに
だんだんだんだん ほっとして
心細さとか辛さとかだんだんだんだん消えてって…
月があんまり綺麗で…だからほんとは…わたしは…
泣きたかったんだよ 兄ちゃん…」
兄妹をテーマにした作品は古今東西、数あれど、到達点の一つのようなもの。