#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

FSS (NT2019年5月号 第16巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。「第6話 時の詩女 act4 スプラウト・ソング〜ショウメ争奪戦 」、Both 3037。扉絵入れて13ページ。

 

他の号はこちらから。

aqm.hatenablog.jp

以下、宣伝のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

 

 

 

 

【広告】
 

 

 

 

 

(余談)

連載ページとは別に、告知カラーページ。立体モデル「GTMカイゼリン」、夏〜秋に予約開始だそうです。およそ8万円の予定。

精密ドライバーで組み立てるだけのほぼ完成品で可動モデル。あの膝関節、曲げてみたいな…ポージングした写真も載ってて、だいぶかっこいい。

組み立て作業例の写真が素手で大胆にカイゼリンの脚を鷲掴みしててワロタ。折れちゃいそうw

8万円かけるほどカイゼリン好きかどうか。GTMの趣味がミーハーな自分としては、ZAPやマグナパレスや破烈だったら迷わず買うんですけどね…

 

(扉絵)

バキン・ラカン帝国 筆頭旗騎GTMグロウダイン〜ホウザイロ2(旧設定:クルマルス・ヴァイ・オ・ラ)のモノクロ設定画と解説テキスト。グロウダインの遍歴や、他のホウザイロの所在、大体のスペックなど。

他、15巻製作中、数ヶ月かかる、休載予定はなし、でも連載のページ減ったらごめんね、とのこと。

 

(本編)

ホテルの部屋?でナカカラ食べ歩きを計画中のラキシス。そこにクニャジコーワとの交代でツバンツヒが護衛に着任。すっかり女子高生モードなツバンツヒに呆気にとられるラキシス。

ナカカラのフィルモア駐屯地。皇帝ダイ・グのお忍び散歩を許したミヤザ長官に抗議するトライトン王子。クリスティン・Vが皇帝本人にも秘密で護衛している。ブラウ女王の意向が強く働いており、ある事件が原因で元老とバルバロッサもそれを掣肘できない。皇帝の体調がすぐれない件についてはアルカナナイトやラーン聖宮も察知している。

ひとり街を散策するダイ・グ。ツバンツヒとウィンドウショッピング中の旧知の仲のラキシスに声をかけ、公園のベンチへ。2人を遠くから見守りながら、同じく遠くから2人を見守る学生の制服姿のクリスに、温かいカフェラテを差し入れするツバンツヒ。クリスの耳飾り、三千年前に見覚えがあった…

5ページに渡ってダイ・グとラキシスの会話シーン。一瞬だけ藍色髪モードのラキシス。

「そんなことを話されてよいのですか?皇帝陛下…」(ニュータイプ2019年5月号より)

 

(所感)

みじんこさんはラキシスの体内からは脱出できた模様。ツバンツヒは高校の春休みの間だけの護衛。バイトか。

ベラの戦いで民間人の子どもから託された、父親の形見の人形は学生証のパスケースのストラップとして大事に使ってるみたい。泣きながら人形を託す子どもと震えながらそれを受け取る騎士、あのシーンこそFSSの象徴だろう!ってくらい、あのエピソード大好きなので、ツバンツヒも作者もあの人形を大切に扱ってくれていてとても嬉しい。

ぶっ飛んだキャラで周囲を呆然とさせがちなラキシスも、今回のツバンツヒみたいに相手がぶっ飛んでると呆然とするらしい。周りの人たち、いつもアンタに対してそんな感じなんやで…

フィルモア上層部は相変わらず口出しする偉い人がたくさん居て複雑な模様。ミヤザ長官の意向とは別に、レーダー王家は本当にクリスを大事に思っているっぽい。ジークボゥが刺された件で璃里がマジ切れしてる分、元老院やバルバロッサ家に対する発言力がやや強まっているみたい。心臓と引き換えに慧茄を斬りにいった若い頃の璃里の性格考えたら、元老たちやバルバロッサ王がまだ生きてる方がおかしい。

ダイ・グの体調不良の件はアルカナナイトはともかくラーンで噂となれば、もはや公然の秘密か。健気なニオ。

ツバンツヒとクリスティン・Vの2ショットに2ページ。カフェラテを差し入れて会話するだけのシーンですけど、忍んでいた相手を察知した上に完全に相手の正体・素性に気がついているツバンツヒと、相手が騎士であることすら気づかなかったハイランダー。年の功とはいえ、2人の騎士としての実力差・情報格差が悲しいくらい浮き彫りになる2ページ。というか、この描かれ方じゃカイエンと相対した幼少期から何も変わってないように見えて、ちょっとクリスが可哀想なような。

ダイ・グの人生相談。未来を予見したように天照への愚痴が爆発するラキシスも、さすがに「カラミティ星と一緒に私も次元の彼方に吹っ飛ぶから安心しろ☆」とは言わなかった。マジあんた他人の相談乗ってる場合じゃないよw

正直、支配者になってしまった少年の孤独がダイ・グのテーマとはいえ、カラミティ星の爆発に対してダイ・グに責任を背負わせすぎな気もするんだけどね。ここ40〜50年で発覚したことではなく、以前のシーンで慧茄が「代々の皇帝が先送りしてきた」と語っていた割にレーダー8やスパンダ法王がそこまで葛藤していたようには見えない。

彼らの葛藤は描かれなかっただけかもしれないし、ダイ・グが魔導大戦で悪辣に立ち回らなければならない時期的な巡り合わせになったせいかもしれないし、本人の資質によるものかもしれないし、だからこそラキシスを使って肩の力を抜かせてあげたかった今回のエピソードだったのかもしれない。ラキシスの真逆のキャラだけど、機会があったら同じ立場のミューズにこそ、年長者としてダイ・グの相談に乗ってあげてほしかった。

「この命あるうちにやれることを」はともかく、「あとは…」が、ダイ・グ本人とクリスティンが報われるものだと良いんですけど。この2人はまだ若いのに何かと悲劇的で、他の同世代キャラと比べてコメディのシーンも極端に少ないんですよね。せめてインタシティのようにちょっとでも本人たちが救われる、美しい結末を迎えて欲しいなと思います。