人類社会に低確率で誕生する、バンパイア、雪女、デュラハン、サキュバス、座敷童子などの「亜人(デミ)」がそれぞれの個性を人間社会と折り合い付けながら平和に暮らす世界観の日本。亜人の良き理解者たらんとする高校教師の主人公と、亜人の生徒たちとの語らいを描く青春日常コメディ。
表紙は新キャラ、沖縄から短期留学でやってきたキジムナー女子。今巻は彼女の個性とその特性の解明を中心に。
117ページ、幕間の4コマ漫画で「亜人に関する研究が検閲的に制限されている」という少し考えさせられる設定が。
上手に青春コメディに仕立ててますけど、差別問題と隣接したテーマを扱ってる作品で、4コマではより亜人の個性を知ろうと探求し解明することが「違い」を浮き彫りにして、却って差別を助長してしまう可能性が示唆されています。
相互理解する上で相手に対する正しい知識は重要ですが、医学の知識が人を生かしも殺しもするように、扱う者の資質や教育や感情、目的意識などで関係を創ることも壊すこともあって。
正しい知識の重要性を否定するつもりは毛頭ないですけど、こう、事実性の正しさで無自覚に他人を殴りつけていないか、少し我が身を省みてしまいますね。