「わたしはねえ!!わたしは…あなたに…
あなたに感謝を…生きる喜びをくだされた…あなたに…
惣三どの!あなたが好きです!!」
いい表紙だな。
原作・岩明均。完結した作品は生と死・生命をテーマに、ドログチョな殺し合いと、対照的に生き残ること・生きていくことを肯定的に捉えた意外と爽やかな読後感のものが多い印象。
戦国時代・信玄公亡き後、甲斐武田家の重臣・土屋惣三に拾われ、信玄の孫の英才・信勝の影武者を務める「死にたがり」の天才少女剣士・レイリの戦国ロマン、完結巻。
織田信長の攻勢の前に風前の灯火の武田。次々に離反する家臣たち。
ネタバレというか史実ですが武田宗家は滅亡します。軍事的ロマンチシズムと滅びの美学。強兵・武田の雄々しい負け様、宗家滅亡後も真田をはじめ旧・武田家家臣はフィクションでも度々活躍しますね。
本能寺の変のたった3ヶ月前。レイリの無念とけじめ。家康との二度目と三度目の奇縁。そうしなかったからこそ美しいとは思うものの、惣三の馬鹿野郎が一度くらいレイリを抱いとけばよかったのに。
もっと読みたかったですけど、そう思ってるうちに美しく終わった「戦場に咲いた花」の話。
お話も絵も、とても眼福でした。
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