「元々反帝国感情の強かったアレーヌ市
小競り合いが本格的な暴動に発展するのには一日も要しませんでした」
「『これでは大陸軍本隊兵站線が崩壊しかねない』
そう判断した帝国の対応」
「今でも多くの議論を招いています 何しろ法学者らが一致している事として
この虐殺は如何なる戦時国際法にも抵触しないというのです」
主人公たちが属する帝国軍が都市を焼き市民を虐殺する、「タクティクス・オウガ」でも描かれたテーマ。
描写に元々じっくりページを割いてきたコミカライズ版では割りとガッツリいきました。見開きで街が焼かれる様子が数ページに渡って描写され、炎に巻かれて逃げ惑う市民の様子がインサートされます。
やがて敗戦し滅亡する偽悪的な主人公を通じて戦争の愚かしさを皮肉っているとはいえ、軍事的ロマンチシズムをエンタメ化してる面も確かにある作品で、「描かれ方によってはついていけずに読むのやめちゃうかも」と思ってたけど、幾重にも用意されたエクスキューズのおかげで引き続き読むます。攻めたけど作品としての箍は外さなかった的な。
手放しで称賛していい内容じゃないですが、戦争を描くならここまで描く、という覚悟のようなものを感じます。
aqm.hatenablog.jp