ネタバレもクソも原作読んでっから観る前から話のあらすじ知ってんだけどね。
原作全巻持ち&連載で最新話も追っかけてる人の、映画の感想文です。
ザ・ファブル(漫画)が相当好きなので、
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んで「木更津キャッツアイ」「タイガー&ドラゴン」以来、主演の岡田准一も結構好きなので、今日公開の映画「ザ・ファブル」を観に行きました。
the-fable-movie.jp
同じダークヒーローもの漫画の実写化とは言え、リアル路線だしセカイ系でもないし「デビルマン」みたいには事故らんやろ。
1時間ぐらい早く着いたので。
一風堂は白丸派です。
またしても梅田でやってなくて、大阪市内だとなんばパークスシネマ。10年ぐらい来てなかったなんばに、週に2回も来ることになるとは。
映画って久しぶりに観に行くと「あ、やっぱ映画良いわ」つってしばらく通い癖つきますよね。近いうちに「光のお父さん」と「天気の子」は観に行きたい。
なんばパークスシネマは「エヴァ破」の公開初日以来。アレの初見は面白かったなー。スクリーンから出る通路で俺の前を歩いてた知らん女の子が「めっちゃ興奮して足が震えるわ」言いながら実際に生まれたての子鹿みたいにぷるぷる歩いてて面白かった。
今回は仕事終わった後の回は20:30から、上映時間もがっつり2時間15分。観終わったら夜の11時前だった。
んで、「ザ・ファブル」ですけど。
原作読んでない派向けに322字で説明すると、
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原作派向けに説明すると、話の中身は原作7巻前半、小島編が終わってサンマ焼くとこまで。
観る楽しみとしては
あたり。
キャスト
そもそも若い俳優さんとかはあんま知らん。
佐藤アキラ:岡田准一
若手の名優感。若手っつってももう38なのね。アクションもばっちり。
久しぶりに出演作を観たんですけど、ゴツくなって、ツルツルだった顔がたるみ始めて、原作よりちょい年食ってる印象だけどいい感じで男前になってきましたね。
背がそれほど高くないのも含めて全体的にこの役にハマってて言うことなし。
佐藤ヨウコ:知らん女優さん
ヨウコさんの飲んだくれクズ可愛い感じがよく出ててクズ可愛い。原作にはなかった見せ場も用意されてました。美しいハイキック。自前なのかなスタントなのかな。
特に最後の銃声が聞こえた瞬間の冷たい目が痺れた。
ファブルのボス:佐藤浩市
てっきりブラザー・コーンが演るのかと思ってた。佐藤浩市より5つ歳上。佐藤浩市も割とハマってる。軽く見せ場も増えておいしいとこ持ってった。
ミサキ:知らん女優さん
ミサキのふつう可愛い感じがよく出ててふつう可愛い。ポニテ可愛い。好き。後でチェックしよ。
海老原:知らん俳優さん
原作の気のいいデブのヤクザ親分なのが好きなので、最初はルックスからしてヒョロヒョロですやんって違和感バリバリだった。
観てるうちにアナザーバージョンとしてこれはこれでアリになった。ちょっと哀愁漂って見応えのある好演。
小島:柳楽優弥
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。ヤバい役にヤバい役者つれてきちゃった感。
原作と全然イメージ違うのに、狂気が共通してるのと、あとは力技で小島になってしまっている。ただでさえ凶悪ヅラなのに目の下にクマ描くとマジでヤバイ。
下手したら「クズの役を熱演したらクズの役ばっかオファーくるようになった」藤原竜也の二の舞。一人だけアクが強い舞台俳優モードのままの怪演でちょっと浮いてんのも含めて藤原竜也に似てる。
脚本の都合で終盤に割りを食った感ある。あのジャッキー・チェン映画みたいなアクション要るかな。
砂川:知らん俳優さん
良かったけど、そもそもこの役には若すぎません?出世早すぎじゃね?
コメディ演出
「アッツ!」のシーンでなぜか原作より「ろくでなしブルース」を思い出してしまった。コメディは概ね原作準拠で、間もよく、客席からもウケてたし面白かった。
アクション/ガンアクション演出
オープニングの「最後の仕事」のガンアクション・シークエンスは原作並みにクールで原作よりゴージャス。アキラの一人称視点の思考HUDの演出はスピード感も相まって超かっこいい。BD買ったらコマ送りで観たい。自分としてはこのシーンだけでも映画代のモト取れた。
中盤の対プロレスラー、クライマックスのパンツ1丁を倒すとこまでは手数少なく秒数かけずファブルっぽくて言うことなし。
クライマックスの大アクションシーンは「ザ・ファブル」だと思わなければとても素晴らしい。んだけど、原作のアキラの強さは相手が「何をされたかわからない」うちに秒殺するのがキモなので、映画にすると地味すぎるせいで派手にデコレーションされた。結果、フードごときに「惜しかった」と言われる始末。なのが、原作の連載を毎週追っかけて考察やってる組には正直不満が残ると思う。でも作ってる側の解釈不足と言うより、「映画」にするためにわかっててやってるので、許容範囲。
全体的に岡田准一のアクションの仕事は素晴らしく、かっこよかった。
音楽
オープニングとエンディング以外、気を配るのを忘れていた。悪印象はなかった。
OP曲良し、ED曲のレディー・ガガも邪魔にはなってなかった。
構成・改変
7巻半を上手いこと端折って2時間ちょいに収めた感じ。原作派として不満はあるけど、媒体考えると許容範囲。
原作未見だと
・序盤で海老原がアキラにキレ気味なところ
・終盤で小島を助けなきゃいけない理由
が腹に落ちずに意味不明かもしれない。
オープニングの「最後の仕事」シークエンスはよりゴージャスに。バレルがいっぱい沈んでるのも良改変。
ネタバレになるので原作から採用したシーン、カットしたシーンは割愛。概ね映画化に際して妥当な改変。
原作原理主義派からすると、山岡でさえ気づかなかったアキラのヤバさを小島が気づいていたのは少々納得いかない。小島はこの映画では山岡並みの「怪人化」されたんだ。と、どうにか観てる自分を納得させた後に、最後に近づくほど小島が「普通の人」になっていっちゃったのが、柳楽優弥の怪演がよかっただけに残念。
ただこの映画観る人で原作既読派と原作未読派でどっちが多いかと言うと、たぶん後者なので、そういう意味では些細なことだと思う。
エンドロール後に「なんじゃそら」ってなる続きがあるので、席を立つのは照明が点いてから。
ということで、面白かったです。
ガンアクション映画コレクションとしても良い出来なので、BD出たら買います。
続編も作ってね!
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