「…そんなことよりもむすび
舞台に立たせてくれてありがとうな
明日世界が終わるとしても私は舞台に立つよ
だから前を向いて最後まで見ていてくれ
私たちが お前の物語を届けるから」
最近の漫画はすげえな、1冊半でここまで辿り着いてしまうんだな。
高校新入生の咲良はノートで部屋がいっぱいになるほど漫画を書き溜めていたが、幼少期のトラウマで黒歴史になっていた。
咲良が手違いで学校に持ってきたノートの1冊が、更に手違いが重なり知らぬところで演劇部の手に渡り、新入生歓迎会で劇として上演されてしまう。
自分の創った話が絶賛されるのを面映く思いつつも演劇部に抗議すると、演劇部の答えは思いもしない高校演劇の世界への誘いだった。
表紙の"暴虐武人"ジャス子先輩について「(げんしけん)班目の女版」と書いたんだけど、2巻で実際に「班目」という別の人物が登場。当然別人。
仙台の高校合同の演劇祭「あおはるマルシェ」。星見高校演劇部、土暮"むすび"咲良の脚本、「けむり」で見参。
「ある表現」に対する抑圧の逆風の中、劇中劇を最後まで。
高校演劇の熱量と興奮、舞台の上の静寂と緊張、即興。照明の温度までがダイレクトに伝わってくるような。
aqm.hatenablog.jp