#AQM

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#ムラサキ 2巻 評論(ネタバレ注意)

「ダンスはできるわ
 体があって 空間があるなら
 いつでも どこでも」

ジョジョの第二部に出てた人ですよね?

コンテンポラリーダンスに魅せられた小太りメガネおさげ少女・一条ムラサキ。

創作ダンス部を立ち上げようとするも人望がなく頓挫。多くのフォロワーを生む美術部の美少女・菫ソラのカリスマ性に嫉妬する。そんなソラのストーカー、翡翠翔之助は紫峰山神社の神凪にして天才ダンサーだった。

「ひとり異国に流されて
 誰もオレの言葉の意味が解らない
 そんな気分になることがある」

翔之助の才能に惚れ込んだムラサキは、2ヶ月で体重を72kgから47kgに落とす約束を果たし、彼をダンス部創設メンバーに引き込むことに成功する。

本気の翔之助のダンス、その凄み。しかしムラサキもまた、体を絞ったことによって秘めた才能が覚醒しつつあった…

「もっと先があるなら
 きみと あなたと 一緒に 踊りたい」

人体はどこまで動くことができるのか、漫画はそれをどこまで表現できるのか、限界を極めんと、漫画でダンスの表現に使われる、止め絵の美しさ、流線、観衆のリアクション、デフォルメ、観念的な比喩、筋肉描写、体重移動描写、余白を使った時間の描写、技法を総動員してもの凄い熱量で描いてる怪作。

「血も 汗も 危険も
 日常生活から徹底的に排除されるものが
 そこにあった」

油絵の具で漫画描いてんのか!?

この絵のためだけでもこの漫画を買う価値がある。にもかかわらず言葉の持つこの力強さ。

「日常と 非日常
 その境界線を越えていくのが
 芸術なんだと そう思う」

この漫画はどこから来て、どこへ行くのか。

 

ムラサキ 2巻 (LINEコミックス)

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