和歌山市沖、紀淡海峡の人口700人の小さな離島、日都ヶ島。17歳の慎平は養家族の娘で幼馴染、海難事故で溺死した少女・潮の葬儀のため帰郷した。葬儀の前後に起こる不審な出来事、潮の妹・澪に同行した慎平は、澪や潮のドッペルゲンガーに遭遇し、殺され…
「リゼロ」チックな死に戻り型ループもの、サスペンスですが、ミステリー色よりファンタジーホラーの色が強め。簡単にネタバレすると、影が人間に擬態して人間本体を殺して食って乗っ取る系の怪異。ホラー苦手な自分も読めるさじ加減。
「起承転転転転転転結」の最後の「転」に差し掛かってるところ、って感じ。サスペンスは「転」の結果を受け風呂敷を畳みながら「解決編」で流していく作品が多い中、この作品は終盤に近づくほど情報量とドンデン返しを畳み掛け執拗なまでに「転」を重ねます。
後出し設定も多く、立ち止まって考察すればご都合主義や設定の矛盾も多そうだけど、スリルとスペクタクルでねじ伏せて読者に立ち止まることを許さない。
徹底的に「読者が気を抜いた瞬間」を狙ってくる作品なので、「最後の1回」も「嘘…そこで…?」ってとこでカード切ってくんだろうな。
久しぶりの「怖さを楽しむ」感覚。
aqm.hatenablog.jp