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#木曜日のフルット 8巻 評論(ネタバレ注意)

石黒正数が2009年からチャンピオンに描いている1話2ページ12コマのギャグ漫画。なにげに10周年。主人公の1人、「鯨井先輩」として過去作「ネムルバカ」の鯨井先輩がスターシステム?で登場。

もともとミステリー志向が強いというか、「天国大魔境」「それ町」等でも時系列や因果の順番を逆転させた描写を伏線として多用して読者をうならせる作家さんだけど、この漫画に限っては昭和中期の新聞連載のような、風刺ネタや「トホホ」オチが中心のクラシックなギャグコメディ。

「それ町」連載中にこれ始まった時は「なんだろう?」と思ってたんですけど、「それ町」の完結や「天国大魔境」開始の後に読んでみると、一見クラシックな2ページのギャグコメディのフレームの中で因果を逆転してトホホオチに持っていく手法が共通してる気がするような、作話に関して研鑽するための習作というか、技術が鈍らないように刃物を研いでるみたいな。

とか気のせいで、ただ単にドラえもんリスペクトでああいうの描いてみたいだけの気もする。

気軽に楽しめるほのぼのコメディ、とオススメするには理屈っぽく風刺が効いたビターなネタが多いんですけど、そこもこの人の持ち味というか。

 

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