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#えびがわ町の妖怪カフェ 2〜6巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

「どうも〜今期からこのあたりの担当になりました死神です」

「あっどうも…ご丁寧に…」

作者が幼少期に度々帰省で過ごしたという岐阜県・揖斐川町を、「えびかわ町」ともじった架空の町が舞台。

高梨まな(9)は妖怪の類が視える体質を両親に疎まれ、遠縁のおっさんが営む居酒屋カフェに預けられるべく岐阜を訪れた。途方に暮れる彼女をおっさんは仕方なしに受け入れ食事を出したところ、まなの体質に引き寄せられて狐の変化がご相伴に与かりにやってくる。店の繁盛のためになぜか妖怪大歓迎のおっさんとまなの奇妙な夏休みが始まった。

夏休み+田舎暮らし+妖怪+グルメ+ミステリー+まなちゃん可愛い、という名状しがたい楽しい半日常もの。

親に疎まれた霊感少女とたまに「死にたい」とつぶやく正体不明の霊感おっさんという悲壮感漂ってそうな主人公たちに、妖怪や挙げ句の果てに死神まで出てくる組合せ、ホラー漫画になってもおかしくない設定なんですけど、毎回おっさんが作った料理をまなが妖怪や幽霊や神様たちとワイワイ食べるという、楽しげなほのぼの日常ものが5巻まで続きます。

まなの家庭の事情とおっさんの正体関連のミステリーをどうすんのかね、まなは東京帰っちゃうのかね、と思ってたら、最終6巻でソイヤソイヤと畳んだ割には両方とも綺麗に畳まれて、作風を壊さない微笑ましくちょっぴり切ないハッピーエンド。

おっさん絡みの種明かし結構ぶっ飛んでるというか漫画のジャンル変わりかけてんですけど、なんかもう読んでるこっちも何でも有りに慣れちゃって「ええ、もう、ハイ。良かった。ホント良かった。」という感じw

妖怪とも死神とも戦わない、可愛らしく優しい世界な作風の漫画なんですけど、これ載ってたのヤングアニマルなのねえw 青年誌の技法や演出や描写で少年少女向けの作品が描かれたような不思議な読み味。

最終巻出たばっかりでアレですけど、この作者さんの次回作も楽しみ。面白かった。

 

えびがわ町の妖怪カフェ 2 (ヤングアニマルコミックス)

えびがわ町の妖怪カフェ 2 (ヤングアニマルコミックス)

 

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