「それでもいつかまた
かすみ座でかかるような映画を監督として届けられたら
なんて勝手に思ってやってきたけど
結局名前の出ない仕事で食い繋いでる
その中でベストを尽くしていればなんて
思えた頃もとっくに過ぎて…」
亡くなった祖父の後を継いだ映写技師の青年"トーワ"と、いつもアロハシャツの居候の美青年"もぎり"の、2人が操業する町の古びた映画館が舞台。幼馴染や地元の人々と、イケメン2人が経営する町の映画館の人情話。
作者さんの属性からAmazonのジャンル分けでBLになってるんですけど、Twitterプロフィール見ると『「明日、シネマかすみ座で」(一般)・「メトロ」(BL)連載中です』とのことで、本作はBL作品ではない模様ダス。
大金を抱えて記憶喪失で転がり込んできた"もぎり"の謎が、記憶が戻って過去回想で謎が解けて、に1冊かけてキレイな完結。
今巻で初登場した"カントク"の、夢がくたびれて擦り切れていきながらそれでも諦められずにしがみつく独白が妙に心に残り、それを吹っ飛ばす主人公の小気味のよさ。
主人公たちに何があったとか何が変わったとかいう話でもないんですけど、良い読後感。また一般描いてくだし。
aqm.hatenablog.jp