「ああ…さっきまであんなに眠りたかったのに。
今は寝るのが惜しい。」
「自分を取りまく世界の回転はあまりにも速すぎて
その遠心力に振り落とされないように、必死で寄り添っていた。」
進学高の1年生、不眠症に悩む少年と不眠症に悩む少女が、昼寝場所にしようとした学校の天文台で出会うボーイミーツガール。
夜と不眠症をテーマにした青春ラブコメになるのかな、と思ってたんですが、天文台に居座る口実で作った天文部の活動が思いのほか本格化、登場人物も増えて主人公の世界がワッと拡がる2巻。
不眠症で夜の世界の住人の少年少女に、天文部OGで天文写真を撮る夜の住人の先輩。他、陽キャのヤンキーなど。白衣の先生好きだわぁ。
期せずしてナイトウォーカーをテーマにした「よふかしのうた」も始まって、相乗効果でいい感じ。夜の持つ詩性や孤独感、少しの後ろめたさと優越感を伴う「非行」感が、青春ものととても相性が良いと思う。夜をテーマにした作品がもっと増えればいいと思う。
モダンな作風ながら、どこか上條淳士の「TO-Y」とか岡崎京子とか80年代の空気感を思い出させられるのは、自分の子どもの頃の記憶や感性となにかリンクしているからだろうか。
aqm.hatenablog.jp
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