同性愛に対する偏見や差別が今より強かった時代、傷ついた周囲の人間を救うことが叶わなかった同士のハイカラさんメイドと英国貴族令嬢の、本と思想に情熱を傾けつつ性別や国籍を超えた恋を、重たくも活き活きと。
「大河ロマン百合」的ですが、今巻でボリューム的には少々小品で完結。
1900年(明治33年)の英国が舞台。英国人作家ヴィクターの著作に魅せられて教職を辞して日本から渡英した華子。
ロンドンの出版社に1ヶ月通いつめるも、秘密主義で素性を公開しないヴィクターに、取次も自分が書いた小説を読んでもらうことも叶わず、行くあてもなく途方に暮れてるところを、彼女の熱意に打たれた貴族の令嬢・アリスに声をかけられ、令嬢付きメイドとして働くことに。共に時間を過ごして二人は惹かれあっていく。
アリスと華子の仲に気づいた許嫁のエドワードが、伯爵家の名声を守ることをタテに結婚をアリスに迫り、別離を華子に迫る、というクライマックス。
とても有名な古典映画を思わせるラストでしたが、その作品名を書くとドネタバレになってしまうので、別の漫画作品で川原泉の「夢だっていいじゃない」を思い出しました。
作者あとがきのページ、桜の木ですよね。
aqm.hatenablog.jp
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