#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#たとえとどかぬ糸だとしても 6巻 評論(ネタバレ注意)

兄夫婦と一緒に暮らす女子高生・ウタちゃんが、兄嫁(幼馴染)・希に片想いしてる話。

「兄の嫁と暮らしています。」とイメージが被るけど、兄が亡くなってる向こうと違ってこちらの兄は健在。

ワタシ未だに百合姫という雑誌のターゲット層というか読者層をよくわかってないんだけど、けっこうメロドラマ進行よね。数多ある百合漫画の中でもだいぶ重ため。

ウタちゃんは毒親気味な母親が帰国して実家に戻るよう強硬に迫られまして、兄嫁への想いで苦しかったこともあって兄夫婦との同居を解消して「さよなら」を告げて実家に戻ってしまいました。

ということで今巻はヒロイン不在、ウタちゃんを失った兄嫁視点に終始。夫とのすれ違い、友人への疑念、高校時代の過去回想など。

大人たちの未熟さや不誠実さからくる人間関係のストレスの捌け口が、回り回って結果的に全部高校生のウタちゃんに向かっちゃっていることに当の大人たちが無自覚で、ウタちゃんを取り巻く大人たち、母親(傲慢で自己中)、兄(優柔不断で不倫中)、兄嫁の親友(不倫中で嘘つき)、ウタちゃんが想っている兄嫁自身も含めて全員胸糞悪くて読んでてどうにも好きになれません。「百合展開を阻害するから」とかそういうことではなく。

今巻の大人たちの回想シーンも「あっそー、それで?」みたいな、なんだか冷めた目で見てしまいました。

感情移入していればこそというか、メロとして割りと正しい楽しみ方だとは思うんですけど、感情移入しすぎて胸糞悪くなる作品ってあるよね。おしん系というか。

主人公と読者にストレスをかけて緩和や救いを求めて続きを気にならせる、という手法は「砂の城」とかいろんな既存の好きな作品でも見られるんですが、読んでてあまりにも情緒的なご褒美というか「美しい瞬間」がなく、ずーっとストレスかかり続けのこの作品自体にもそろそろ嫌気がさしてきたので、今巻を最後にもう読むのやめよかなと思ったんですけど、あとがきによると次巻で完結とのことなので、乗り掛かった船であと一冊我慢して読もうと思います。

いやー、ハマってんな俺。

879字もかけて文句言った挙句に読むんだよ結局。

 

 

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