「地味っていうか…そんなの誰にでもやれるよ。」
「沼田先輩。その…端から見たら…そうかもしれないですけど。
誰でもやれることを…実際にやってくれる人が戦力なんだと思います。」
「(西のやつ…いいこと言うじゃねーか。
誰にでもできるようなこと。
それが その繰り返しだけがいつも、人を遠くまで連れていく…)」
およそロボットバトルもののやり取りとは思えない地味で地道な考え方だw
近未来、地球には「亞害体」と呼ばれるクリーチャーが襲来。国際組織「人類連合」が結成され、量産人型兵器を運用して亞害体を無人の辺境に封じ込めていた。無職の青年・平 仁一郎のもとに一通の通知が届く。それは人類連合のパイロットの採用審査通知だった。
という、エヴァとMATRIXとAVATARとパトレイバーとフロントミッションを足して割ったような人型兵器に、無職を集めて遠隔操縦させるSFもの。ロボはレイバーサイズ。
遠隔操縦だけど神経接続されるので、痛みがフィードバックされ破壊されると死。ヤバくなったら神経接続のプラグを抜けば緊急脱出、ただし生涯で5回これやると脳のダメージで死ぬ。
戦場は南シナ海のジャングルの島だけど、遠隔操縦なのでパイロット達は自宅から平和な日本の職場に通勤という、日常と非日常のコントラスト。
前巻以来の強敵、ネームド個体「シャムシール」撃滅作戦。主人公たちのチームを囮に主力でシャムシールを攻撃する作戦を進める首脳陣の意図を知った上で、「倒してしまっても構わんのだろう?」作戦を実行する熱い展開。
やってることはFPSゲで作戦がモノをいうあたり、ちょっと「ワールドトリガー」っぽさも。主人公の地味なスキルが創意工夫と努力の積み重ねもあって大活躍。地味だけどw
「亞害体」が謎が多いものの、すごく「中に人間が入ってる感」があって、「この戦争はなんなのか」と読者が疑問に思うタイミングで、次巻予告で
「俺たちが戦ってるものは…一体、なんなんだ…!?」
「亞害体に対して彼らが感じた違和感の正体は…!?」
とのことで、タイミングも絶妙。ミステリアスな世界観の一端が示されそう。
最初っから面白かったし、主人公たちの成長譚としては当たり前なんですけど、尻上がりに面白くなってきて、次巻もとても楽しみ。
次巻は7月末だそうです。
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