#AQM

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#グッバイ、ノーベル! 3巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

「さっちーにもナヲキが見えるようになったのも、
 偶然じゃなくて…一つの前触れでさ…
 皆の星への願いが、神様に届いたのかも。

 …うん、最後に一本作れたしいっか…」

「ねぇナヲキ…『龍平すず』は今日で終わりにしよ。」

ノーベル文学賞の最有力候補とされ、そこはかとなく村上春樹っぽい大作家・龍平ナヲキ。

大傑作の原稿と引き出しに隠して書き溜めた初恋の人への恥ずかしい駄文ラブレターを残して、自宅で頭を打って死亡。存念が強すぎて幽霊として現世に復帰。

ひょんな縁で知り合った、霊が見えるクールな女子高生"すず"との価値観の異なる二人の二人三脚で、"龍平すず"として小説家を目指す感じ。小説家版の「ヒカルの碁」。

最終巻です。

幽霊のナヲキが見える第二の文学少女、ナヲキ小説の聖地巡礼の流星群、ナヲキの初恋の人による書評、その意外な性格、ナヲキの遺稿の出版と「龍平すず」の処女作出版、そして3年後。

展開がフワフワと二転三転しているように見えて、あれやそれはラストに向けて必要な展開だったのかとか、話の迷い線かとか、というより、伏線やプロットの回収を一冊に詰め込んだせいに見えて、本当はあと2〜3冊かけてじっくり描きたかったんじゃないかなという気がしないでもない。

興味深い初期設定で始まって、「ヒカルの碁」にも「ゴースト/ニューヨークの幻」にも寄っていかずに形容しがたい終わり方だったけど、脱力系というか「なんとなく」でユルく回ってる感じがこの作品らしいというか、このヒロインらしいなと思った。

ユルとエモの組み合わせの作品ってパッと思い浮かばなくて、実はすごい高難易度なことに挑戦してたような気もする。

「あーあ。また吹っ飛んだわー。」

「こんなのばっかだな。」

「まーいいじゃん。私たちらしくて。」

うーん、ユルくてメタいw

 

グッバイ、ノーベル!(3) (ビッグコミックス)

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  • 作者:竹充ヒロ
  • 発売日: 2020/04/10
  • メディア: Kindle版

 

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