#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#付き合ってあげてもいいかな 4巻 評論(ネタバレ注意)

「…ね…冴子も脱いで…
 裸で抱き合うの気持ちよくて好きだから…」

「(うん。でもそれ、
  別にあたしじゃなくたっていいんでしょ?

  たぶんこのまま気づかないふりをし続ければいい。
  そうすればきっと、ずっと付き合っていられる。
  ずっと、みわをあたしのものにしたままでいられる。)」

大学入学、サークル勧誘を機に知り合った、真面目でめんどくさい性格のみわ、サバけてて手っ取り早い性格の冴子。

男の子より女の子が好きな者同士、新歓コンパで酔った勢いで互いにカミングアウト。付き合ってみてからのちょっとアダルティーな百合カップル恋愛漫画。2人を触媒にしつつ脇役たちもコンプレックスも大爆発してて青春群像劇っぽく。

百合漫画に限らず、多くのラブコメ・恋愛ものが「付き合うまで」を描いていて、なんでかってそこが一番「甘くて美味しい」からなんですけど、それに対するアンチテーゼ的に「付き合ってから」を描く漫画。セッ久描写も割りと赤裸々に。

だからと言って新規性があるかというとむしろ回帰に近く、自分はむしろ80年代後半からのトレンディドラマを思い出します。狭い人間関係でカップリングがグルグル回ったり戻ったりするあたり。「東京ラブストーリー」とかね。

他の人に目移りしたり、それをニュアンスで察したり、それが原因で別れたり、別れたのにまだ折りに触れ気になったり、ぐちゃぐちゃと面倒くさい感じ。

端からは順風満帆な付き合いのように見えて金属疲労のように気持ちに澱が溜まっていく心理が、丁寧に丁寧に描写されます。

甘い恋愛ものに飽きて、ちょっと苦味をお求めの向きに大変オススメ。

百合とはいえ「甘くて美味しい」とこだけでできた漫画ではないので、そこはご注意ください、という感じ。

 

 

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