

「で、オチは?」
と芸人でもないのに雑談にオチが求められる風潮はいかがなものか、という話が定期的に話題になりますが、読んだギャグコメディ漫画にオチがなかったらどうでしょうか。
かつて「不死身の龍」と恐れられた伝説のヤクザ・龍。刀傷をサングラスで、彫り物をエプロンで隠し、今はヤクザを引退し、キャリアウーマンの妻を支える専業主夫としてがんばっている。
人並外れた集中力と忍耐力でスキルアップして主婦力を磨き、料理教室やフィットネス、地元の商店街を通じて奥さん友達も増えた。顔は怖いままだった。
というギャップでシュールなギャグコメディ。
平和な日常に元ヤクザのいい人を放り込んだら面白かった、というシンプルなナンセンスネタをパンチ力のある構図と間と短く効かせるセリフで。
妻の出張で一人でゆっくり、元ヤクザMCバトル、商店街ハロウィン仮装コンテスト、元ヤクザとバイキング、義父と義母がやってきた、元ヤクザの風邪の治し方、元ヤクザのお正月、地酒フェア、ヤクザのバレンタイン、おまけ漫画3編。
黄金のワンパターンのゴリ押しというか、どんな体勢からでも強引に背後を取りに行き引っこ抜くようにリングの外に向かって投げっぱなしジャーマン、というスタイルの出オチの一発ネタ漫画で、毎回繰り返される、途中で話を考えるのがめんどくさくなったかのようなオチの「なんでお前この話描こうと思った」と思わせる安定感は抜群。
好きなんですけど、真面目な人の中には怒り出す人もいるかもしれないので、自己責任で読みましょう。
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