#AQM

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#ゆるさば。 5巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

「家族以外 誰もいなくて 何もないはずの世界なのに
 なんでこんなに満たされるのか…

 やはりこの世界は…」

ある日突然、料理上手のお父さんと高校生と中学生と小学生の娘3人を残して人類が消失した、廃墟ロマン・サバイバル。

街は廃墟化・森林化して鹿や猪、野生生物も繁栄、謎解きも悲壮感もなく深刻にもならずショッピングモールを独り占め、米軍横田基地でM4A1パクッて廃墟化した新宿までドライブでゴー、次々に便利アイテム手に入れてやりたい放題なサバイバル生活。細田守映画っぽいキャラデザの可愛い女の子たちに、可愛いにゃんこも追加で登場。

今巻で完結。

誰もいないはずの世界でスマホへの着信。読者に詳細が明かされないその通話は、亡くなったはずのお母さんからの電話だった。お母さんからの電話に導かれるように、一家はお父さんとお母さんの思い出の地、「サバカンの木」を目指して関東を北上する旅に出る。

もともとこの作品には可愛い女の子たちが楽しく美味しくサバイバルすることしか期待してなくて、人類消失の謎とかうやむやで終わって「楽しい日々は続いていく…」的なファジーな終わり方するんだろうなと思ってました。

過去の話題作を見ても序盤のワクワク感と比べて終盤グダグダになって名作になり損ねた作品は数知れず、ポストアポカリプス&サバイバルってのはそれだけ畳み方が難しいジャンルという印象があって、「この作品はそこから逃げるだろう」というか「この作品がそこで勝負する必要はないだろう」と思ってました。

予想に反して逃げずに「家族」をテーマに最後まで明るく楽しくポジティブに勝負して大勝利。

SFではなくファンタジーに、意外性のある東野圭吾のミステリーのようなどんでん返しもあり、再読の楽しみが増えるきれいで見事なまとめ方。「そう」思って最初から読んだら見え方が全然違うんだろうなコレ。

今巻も女の子は可愛く、サバイバル・グルメは美味しそうで、冒険のワクワク感に満ちた展開でしたけど、明るく希望に満ちたエンディング、4巻までの印象より遥かに面白くて良い漫画だった。

全5巻という巻数も絶妙で良いよね。すごくひとに薦めて回りたい。

これ夏休み劇場用アニメ映画、ワンチャンいけんちゃうかな。ぜひ映像でも観てみたい。

作者の名前、憶えとこう。次回作も楽しみだわー。

 

ゆるさば。(5) (ヤングマガジンコミックス)

ゆるさば。(5) (ヤングマガジンコミックス)

  • 作者:関口太郎
  • 発売日: 2020/07/20
  • メディア: Kindle版

 

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