

「先生」と呼ばれるお坊さんと28人の宝石たちが暮らす地球。彼らは月から宝石を攫いにくる「月人」たちを撃退しながら数千年の時を過ごしていた。宝石たちの中で最も若年のフォスフォフィライトは戦いで身体を欠損する度に、記憶と人格を少しずつ失い、別の宝石で補修したパーツの記憶や能力で、先生と月人、世界に対する疑いを強めていく…
そそのかした8人の宝石たちと一緒に月に移住したフォス、残された宝石たちに真実を語る先生。
願いの成就の為に硬軟あらゆる策で繰り返し月から地球へ出撃するフォス。
TV版エヴァの終盤のように終末に向けてキャラ同士が傷つけ合う描写が延々と続く。じっくり描いていると捉えるか、冗長と捉えるかは、読む人次第。
正直読んでいて楽しいものでもなく、惰性と「看取らなければいけない」という義務感の方が強い。
どうなるのがハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかももうよくわからない。天真爛漫だったフォスフォフィライトは見る影もなく、感情移入先になるキャラクターはもういない。
「こうまでして一体何を描きたいのか、何を見せたいのか」というおよそ漫画らしからぬ興味だけが、それでも読む理由をかろうじて支えている。
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