「私ら悪役極めるんでしょ
八百長で勝ってもうれしくないとか綺麗事言ってる段階じゃないでしょ
相手が勝手に負けようとしてるだけ こっちは『知らんがな』よ」
高校女子バレーボール界の札付き扱いされた少女たちが集められた古豪・黒曜谷高校女子バレー部が、各々過去のトラウマや家庭の事情を乗り越えて春高バレーの頂点を目指す青春スポーツもの。
ハードな環境に置かれてトラウマやメンタルの弱点を抱えたキャラが異様に多く、それらを超克していく過程に重点が置かれる。
主人公の大石練は、将来を嘱望される名選手だった理想で最愛の姉を喪い、その反動でバレーの鬼ガキとなって暴走し仲間に見捨てられた過去からコミュ障化。
スネに傷持つ仲間たちと支え合ってたどり着いた春高バレー、準決勝。対戦相手の青磁高校は、練を見捨てハブにした小学生時代のチームメートたち。
女子バレー界に渦巻く大人たちの権謀術数、呪いのように絡み合う人間関係、サイコパスのような相手の中心選手によるチームの洗脳支配と盤外戦術。
青磁の中心選手、雨宮の目的は「練にわざと負ける事」?
という、もうお願いだから普通にバレーやってくれよ!と言いたくなる対戦。
クネクネした陰謀劇をヒロインのスパイクでスカッと吹き飛ばす熱い展開を期待しつつ、「起承転結」の「承」ぐらいのところで、次巻に続く。
aqm.hatenablog.jp