「知りたく…なかった…知らなければ…
誰に認められなくても、俺は俺に胸を張って生きていけた…
望んだのはただ…それだけだったのに…
…いや…駄目だ…
こんな時に自己憐憫か…?
そこまで弱くなったら、終わりだろう…!!」
とても個人的なことで他人にはどうでもいい話ですが、自分の中で最高評価の☆6を付けるのを「後の巻で更に面白くなった時どうするんだ」と葛藤しつつ我慢しています。
自分が☆をいくつ付けるかなんて些細なことです。この作品は本当に素晴らしい。
この巻で起こることの何を書いてもネタバレになるので詳しく書けないんですけど。
近未来、地球には「亞害体」と呼ばれるクリーチャーが襲来。国際組織「人類連合」が結成され、量産人型兵器を運用して亞害体を無人の辺境に封じ込めていた。無職の青年・平 仁一郎のもとに一通の通知が届く。それは人類連合のパイロットの採用審査通知だった。
という、エヴァとMATRIXとAVATARとパトレイバーとフロントミッションを足して割ったような人型兵器に、無職を集めて遠隔操縦させるSFもの。ロボはレイバーサイズ。
遠隔操縦だけど神経接続されるので、痛みがフィードバックされ破壊されると死。ヤバくなったら神経接続のプラグを抜けば緊急脱出、ただし生涯で5回これやると脳のダメージで死ぬ。
戦場は南シナ海のジャングルの島だけど、遠隔操縦なのでパイロット達は自宅から平和な日本の職場に通勤という、日常と非日常のコントラスト。
はてなブックマークユーザの間でも非常に評価が高い作品。
前巻で亞害体との戦いに疑問を抱き始めた主人公。
多くの読者が予想したであろう展開、そして多くの読者が予想しなかったであろう展開、二つの大きく衝撃的なトピックを含む巻。
「第一部 完」と表現しても、賛同いただけるんじゃないかと思います。
当初、尖ったところがないと思われた主人公ですが、●●●●、優しく強い。
ミステリアス、スリリング、ドラスティック、ヒロイック、ショッキング、ドラマティック、なんと形容して褒めても褒め足りない気がする。
メインエピソードに隠れがちですけど、冒頭の前巻のエピローグエピソード、堂島部長のエピソードも良いよね。
自分のアンテナの低さを棚に上げて「こんなに面白い漫画を描く漫画家が、この作品を描くまで一体どこに隠れていたんだ!?」という気持ち。過去の名作群の要素は取り入れつつも流行に流されるでもなく、漫画においては不利で不遇な「ガンダム以外のロボットもの」という自分が描きたい(んだと思う)ジャンルで戦う姿勢も素晴らしい。
創って、積み上げたものを、壊して、その中からまた継がれていく。
次巻が本当に待ち遠しい。
aqm.hatenablog.jp