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#ぼくたちは勉強ができない 18巻 評論(ネタバレ注意)

同級生ヒロイン3人+先輩ヒロイン1人+先生ヒロイン1人、受験勉強がテーマ、過去の蓄積に立脚した週刊少年ジャンプの最新鋭の看板ラブコメ。

最新鋭すぎて実験始めやがったというか、終盤にきてまさかの5人のヒロインごとのマルチエンディング展開。巻頭のあらすじを見るに、前巻のうるかルートが正史扱いで、残り4人のヒロインがifルート扱いのようです。

なお自分はマルチエンディングについては「全部終わってみないとわからない派」です。

ということで理系の理珠ルートエンディングの巻。

いきなり夏の花火から10ヶ月後の夏、大学生になって関城とルームシェアをしている理珠。理珠の実家のうどん屋でバイトしている唯我。くっつきかけの二人がそこから過去に回想していく構成。

ダイナミックと見るか、雑と見るかw もっかい高校生活終盤を見せられてもちょっと困るのも確かですけど。

正直、アンケートなんか取るから理珠が読者の間で不人気だったことも全部知っているので、読んでてやや複雑ではありますし、この巻も実質、理珠・関城とあと一人のトリプルヒロインで、作者が理珠を専用エンドルートを一人で保たせるほど育ててこなかった、というより育てあぐねてきたことがくっきりと。

つーか冒頭で関城と暮らしてる時点でもう唯我要らなくね?関城エンドでいいよもうwww

と、メタな話は置いておいて、理珠のエピソードは単品で見るとバカコメ展開+家族の話という、エンドルートとは思えないぐらいいかにも「ぼく勉」らしい楽しい展開でした。

うどん屋の親父もグッとくるし、「3人目」のヒロインの顛末も良エピソード。

印象を関城と「3人目」に持っていかれて、肝心の理珠との恋愛は雰囲気エンドというか、なんとなくくっつく'80年代のラブコメみたいで、「理珠派」が読みたかったのは果たしてこのラストだったのか、自分にはわからないですけど、不器用で一途でいかにも報われなさそうだった理珠の恋が実ったところを見られたのは、良かったと思います。

ただ、ここまで感想を書いてきて思ったのは、どうしても「マルチエンド」というメタが頭に引っかかって素直に没入できず、我ながら斜に構えた感想だなーと。

理珠よりもむしろ、ルートごとに恋する相手が変えられる唯我という人間って、一体なんなんだろうか。

ADVゲームなら気にならず没入できることが、なんで漫画になるとこうも没入を妨げるんだろうか。

 

 

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