WEBで第一話を読んだときは、てっきり編集部主導で、原作者の川原正敏の「名義貸し・設定貸し」と弟子が手を動かす「おゆるし」をもらってのチャラい企画だと思ってたんですけど、
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あとがきによると川原正敏の本人発の企画で、ネームまで川原正敏本人なんだそうで、「修羅の刻」の歴史考証疲れの息抜きも兼ねた「本気のおふざけ」とのことです。
原作者本人による「公式同人」的な作品。
ファンタジー異世界の商人に不思議アイテムでうっかり召喚されて空から降ってきた裸の男。その場にわらわら集まってくる美少女ヒロインや引き立て役の武人のおっさんに襲いかかる強そうな悪魔的なアレを殴って退治した男は、記憶喪失気味ながら「陸奥」を名乗る。呪い的なアレを解くため大賢者を探し求める4人の冒険の旅が始まる。
オーソドックスな異世界もの設定で、ロードムービー的な「西遊記」に近い建て付け。もともと原作で無双してんのに更に無双しにわざわざ異世界へw
感覚的にはRPGとかでレベル上げて育ててラスボス倒してやることなくなったキャラを別ゲームに連れてって更に無双させたい、に近いというか、それはそれでまあ楽しいよね。
あとがきを読むまでもなく抜いて描いてるというか、制約がない中あまり四苦八苦もせずに楽しんで描いてるご様子で、いまんとこ「修羅の刻」と比べると明らかに強度のない出オチ漫画。コメディ色も強め。
戦闘シーンだけややマジで、vs魔神、vs無敵の鎧、vsゴーレム、vs打撃効かない人など。牙斬の変形?、雷、斧鉞、獅子吼など懐かしの決め技登場。
ネームは川原正敏、作画はお弟子さん、仕上げは再び川原正敏とのことで、画面の雰囲気はかなり原作に近いです。
まあファンアイテムかなというか「同人誌でやれよ」と思わなくもないですけど、商業に乗っかった方が単行本の単価も安いので読者にもメリットありますし。ネットの反応見ると原作未読の「修羅の門」文法を知らない人の方が新鮮に楽しめてるような気もすんね。
作者が楽しむために描いてるとのことなので、「門」でも「刻」でも見られなかった滅茶苦茶な展開とか、そのうち見られるといいなと思いますけど、どうでしょね、異世界ものも結構やり尽くされちゃってっからなー。
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