凄腕スパイ・暗号名「黄昏」に下った新たな指令は、妻と新小学生の子どもを調達して敵国の名門校のPTAに潜入し、平和を脅かす危険な黒幕に近づくこと。
任務のために孤児院で適当に選んで引き取った娘・アーニャは、他人の心が読める超能力者だった。
ひょんな縁からトントン拍子で任務のために妻に選んだおとなしげな美女・ヨルは、凄腕の殺し屋だった。
互いに正体を隠して家族になった3人。人の心が読めるアーニャだけがひとり全てを知り、新しいスパイの父と殺し屋の母に「わくわくっ…」としていた。
スパイや暗殺者が一般人に身分をやつして暮らす日常ドタバタコメディは昔からたくさんあって、シュワルツェネッガーの映画でもなんかありましたね。「ザ・ファブル」もそうですね。
コメディ展開にもシリアス展開にも振り幅が大きく、ギャップでメリハリつけたり日常の中でこっそり「ドヤァ」ってのも描きやすく、楽しい作品が多いです。
「実はスパイ」「実はテレパス」「実は暗殺者」「実は未来予知できる犬」「天真爛漫な女の子中心のファミリー日常もの」「隠し事を抱えた家族の同居コメディ」と、それ単体で漫画作品が成り立っちゃうモチーフをたくさん詰め込んで、「全部入りパフェ」とでもいうか、なんというか「ひきだし」が多い漫画ですよねw 回ごとにメインのモチーフを変えながら、破綻もせずによー回すわ。
振れ幅のバランス取りの代償に「実は暗殺者」が隠し事コメディのギャップのスパイスとして以外はそれほど機能してなくて、暗殺者としてのヨルさんがいざという時のアーニャのボディガード役以上の活躍ができてないです。
暗殺者エピはガッツリやるとどうしても暗く凄惨な話になりがちで、この作品も大元の設定は結構陰惨なんですけど、「楽しいドタバタファミリーコメディ」としてここまでヒットして認知されてしまうと、ちょっと動かすの難しいかもしれないですね。
青年誌の「ファブル」でさえ主人公は不殺を貫いてるし、この漫画で急に「チェンソーマン」みたいなドログチョの殺し合い始められても、読んでるこっちも困るしな。
「楽しい暗殺者もの」って「ファブル」以外でもなんかで読んだような覚えがあるな。
ということで前巻は外相暗殺と犬をめぐる暗闘の長編エピソードが中心でしたが、今巻は「スパイ目線」だと日常回、「アーニャ目線」だと事件の連続、という巻。
ヨルさんのお料理特訓回や、アーニャの「エスパーよつばと!」回、黄昏の妻の座を狙う新キャラ登場など。
小エピソード群ですけどどれもウェルメイドで今巻も安定して面白かった。
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