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#とつくにの少女 10巻 評論(ネタバレ注意)

童話のような、寓話のような、絵本のような。外形的には「魔法使いの嫁」に近いけど、まったく別もの。同じレーベルなので毎回発売日がカブる。吉田明彦のデザイン画のように古風で素朴だけど格調のある美しい絵柄。

生贄として人の世を救済する力を持つとされる少女・シーヴァと、故あって彼女の守護者となった「呪われた者」・先生。シーヴァの身を狙う、人の城から来た兵士たち。同じくシーヴァの身を狙う「外つ国」の「そとのもの」たち。

逃亡し捕らえられ脱出し、いろいろあった末の前巻のラストで「これはもう、次巻で完結なのでは…」と思ったんですが、次巻の11巻で完結とのことで、今巻は回想シーン等を通じて世界の形がこうある因果が明らかにされました。

ある主要登場人物について、ヒントはたくさんあってそうであることが示唆されていたにも関わらず、自分はまったく予想してなかったでした。そうだったのか…確かに…

ストーリー展開として消化するイベントはほぼ終わり、残りはエピローグというか、TV版エヴァンゲリオンの最終回にあたる部分しか残っていないように思いますが、この美しく哀しく不可思議な漫画作品で作者が本当に描きたかったことがなんなのか、初めて明らかになるかと思うと、今から次巻・最終巻がとても楽しみです。

どうか彼らの魂が救われるラストでありますように。

 

とつくにの少女 10巻 (ブレイドコミックス)

とつくにの少女 10巻 (ブレイドコミックス)

  • 作者:ながべ
  • 発売日: 2020/09/10
  • メディア: Kindle版

 

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