

女子高生の望美(16)は、意識が覚めると記憶を失い身長12cmになって神社の神木の前に横たわっていた。
野良猫に追われ逃げ込んだ先は由芽(22)が暮らすアパートの汚部屋。由芽は会社を辞めて親の仕送りで暮らす対人恐怖症のニートだった。
由芽に見つかった望美は、泥酔が見せた由芽自身の妄想であると名乗り、人生に悩む由芽の相談相手としてアパートの一室で奇妙な共同生活を始める。
というファンタジーコメディ。今んとこ百合要素はほとんどなし。
小美人との生活というとOYSTERの「超可動ガールズ」、内田春菊の「南くんの恋人」、ジブリの「アリエッティ」他、藤子不二雄や手塚治虫、SFとかガリバー旅行記とか。
秘密基地のような小さな部屋、ハムスターの背中に乗って神社まで大冒険などのワクテカこびと生活の他、ヒキでニートな由芽のちょっとした冒険など、ちょっとずつ新キャラも増えて今巻も楽しく賑やかに。
望美そっくりのもう1人の女子高生や謎の手鏡など謎な要素もありつつも、変な言い方ですけど、「2巻」というより「1巻の延長」という感じで、楽しいながらまだあんまり話が動いていないというか、そもそも動く予定があるのか、まだどうなりたい作品なのかよくわかんねッス。
対人恐怖症のニートと小美人の奇妙な同居生活ということで、これまでの読書経験から読者(私)は二軸で考えて、
「王道は2人の交流を通じて、由芽は成長して脱ニートし、
望美は元の女子高生に戻る、ハッピーエンドを目指す物語かな」
と、ある種の課題解決型の思考で予断を持って、その予断というか勝手な期待に対する実際の物語の進行で「今巻は進展がない、遅い」とか「作者が何を描きたいのかわからない」とか「予想や期待を(良い/悪い)意味で裏切ってきた」とか勝手なことを思うわけなんですけど、
「成長しなくていいよ、ニートでも幸せならそれでいいよ」
「こびとのままでも、楽しく暮らしていければそれでいいよ」
というユルめの作品も近年増えましたよね。
逆に、古い作品ながら本作に近いモチーフの作品、内田春菊の「南くんの恋人」なんかは、ネタバレですけど、こびと化したヒロインが事故死して終わりで、あれとか多分、「子供が作る小鳥や金魚のお墓のような、小さなちよみのお墓」の絵が先にあって、その絵にたどり着くために逆算して描かれた漫画なんじゃないかな、と思ったりもします。
なんの話してたんだっけ。
aqm.hatenablog.jp
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