室町後期(戦国初期)の武将、北条早雲の幼少期からの伝記もの。享年64歳説を採用。
中世代を舞台にした作品ながら、現代の話し言葉を大胆に採用、横文字もガンガン出てくる。おっさん達の政争劇は作者の本領発揮なイメージ。
北条早雲の伝記を漫画の上手のゆうきまさみが、の時点で面白いに決まってんだけど、日本史の中でも複雑で難解なことで有名な応仁の乱がらみ。渋すぎるテーマをどう捌くのか。
京都の戦乱が地方に飛び火。兄の死で伊勢備前守家の嫡男に繰り上がり、数えで十六となった新九郎も領主である父の名代として領地・荏原郷(岡山県井原市)へ。
荏原郷を舞台にした「落馬」、京を舞台にした「負債」のそれぞれ伊勢家にまつわるちょっとした事変・政変の2篇を収録。新九郎は話の脇役ですけど、作品の脇役のおっさんたちの政治ドラマ。
別に何の思い入れもない脇役のおっさんたち(歴史上の大物ですが)の別れのシーンなんですけど、なんかグッときてしまった。
世代交代とでもいうか、状況を引っ張ってきたジジイキャラがいろいろ退場して絵ヅラが少し若々しくなってきましたw
盛頼がもっと悪い奴かと思ってたら、意外と話がわかるというか、いやコレただ利害が一致しただけか。
今のところ主人公の新九郎は状況に対しやや受動的ながら(そもそも数えでまだ16歳なんですが)、役職に対して真摯に、誠実であろうとする姿勢は見てとれます。気になるヒキですが、この年はいわゆる「平盛時禁制」が控えているので、次巻あたりは主人公・新九郎の活躍に期待したいところ。
史料を流し読みした程度では「平盛時禁制」の経緯や詳細がよくわかんないんですよねw 「ゆうき史観」でどうなってああなったと解釈されて描かれるのか楽しみ。
もう1〜2冊やった後に駿河下向かな。
aqm.hatenablog.jp