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#亜人ちゃんは語りたい 9巻 評論(ネタバレ注意)

人類社会に低確率で誕生する、バンパイア、雪女、デュラハン、サキュバス、座敷童子などの「亜人(デミ)」がそれぞれの個性を人間社会と折り合い付けながら平和に暮らす世界観の日本。亜人の良き理解者たらんとする高校教師の主人公と、亜人の生徒たちとの語らいを描く青春日常コメディ。

差別問題を想起させるテーマでありながら、重たくなりすぎないように婉曲に、優しく、コメディタッチに、ポジティブに語ってきた作品ですけど、今巻は割りとどストレートにきましたね。

作品をこれまで明るくテンション高く引っ張ってきた、表紙のひかりの幼少期の過去エピソード。登場人物がみんな優しい人物像だっただけに、これまで割りとふんわりとしか語られてこなかった「亜人に対する悪意のようなもの」が具体的な姿と言葉の生々しい重さを伴って語られます。

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「亜人ちゃんは語りたい」9巻より(ペトス/講談社)

やー、しんどいね。まるでTwitterやはてなブックマークを見ているようだ。

ひかりは家族に恵まれてよかったね。ひまりちゃんマジかっけー。

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「亜人ちゃんは語りたい」9巻より(ペトス/講談社)

その後のエピソード、ヒロインたちを支える教師の独白も含めて、この作品の語りたい核心に迫るエピソード群。あれ、終わりが近いのかな、と思わないでもない。

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「亜人ちゃんは語りたい」9巻より(ペトス/講談社)

お前、そんなこと言うなよ…

というアンニュい、でもとても大切なことが語られる巻でした。

漫画の話ではありますけど、いろいろあったにも関わらず、ひかりはホントに素直ないい子に育ってくれて、救われるわ。彼女を守った家族に頭が下がるわ。

 

 

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