田中芳樹の二重の意味で伝説的なスペースオペラ小説を「封神演義」の藤崎竜がコミカライズ。コミカライズにあたり戯画的な演出や展開のディティール変更も。
原作4〜5巻相当。前々巻の「皇帝誘拐・亡命事件」を受けて前巻で「神々の黄昏(ラグナロク)作戦」が発動、帝国が同盟に大規模長征を開始。
ヤン・ウェンリーが守るイゼルローン要塞にロイエンタールの別働隊を充てつつ、
本体はフェザーン回廊を突破。フェザーン本星を占領した上で同盟領へ。
窮地に陥った首都ハイネセンの司令部がヤンに送った指令は自由な裁量を認めた上で「最善を尽くせ」というものだった…
アイランズ国防委員長が、あの、「鉄拳」に出てた人ですよねコレ。
重厚な原作に対してポップに弾けた作画は今に始まったことじゃないというか藤崎竜にコミカライズさせる時点でわかってたことなんでアレですけどw
「封神演義」でブレイクする前、出立ての頃の藤崎竜って作品全体が王天君というか、ダークでナルシスティックなモノクロの世界が売りだったのが、隔世の感がありますね。当時の藤崎竜自身も2020年に銀英伝を自分がこういう風にコミカライズするなんてこれっぽっちも思ってなかっただろうな。
展開としては原作の一番美味しいところ、メインディッシュに手が届こうかというところ。
見開きもバンバン使ってますけど全然楽してなくて気合入ってんな!という感じ。
ラインハルトvsビュコックのランテマリオ会戦が開戦!というところで次巻に続く。
フェザーンにまつわる設定を大幅に改変した余波で、ユリアンのポジションも原作とだいぶ変わってしまっていますが、ヤン不在のこの会戦でユリアンが何を見るのか、原作付きコミカライズらしからぬ予想のつかなさで楽しみです。
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