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#ぼくたちは勉強ができない 20巻 評論(ネタバレ注意)

同級生ヒロイン3人+先輩ヒロイン1人+先生ヒロイン1人、受験勉強がテーマ、過去の蓄積に立脚した週刊少年ジャンプの最新鋭の看板ラブコメ。

最新鋭すぎて実験始めやがったというか、終盤にきてまさかの5人のヒロインごとのマルチエンディング展開。巻頭のあらすじを見るに、うるかルートが正史扱いで、残り4人のヒロインがifルート扱いのようです。

なお自分はマルチエンディングについては「全部終わってみないとわからない派」です。って、連載は終わってしまいましたね。

 

ということであしゅみー先輩ルートエンディングの巻。

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「ぼくたちは勉強ができない」20巻 より(筒井大志/集英社)

高校を卒業して数年後、教師となって離島の小さな学校に赴任してきた唯我。その島にはたまたま、父親とともに小さな診療所を営むあしゅみー先輩が見習い医師として勤務していた…

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「ぼくたちは勉強ができない」20巻 より(筒井大志/集英社)

小さな島の小さな学校、小さな診療所、数年ぶりの再会、という、少年漫画のラブコメらしからぬ文学的な格調さえ漂わせる設定ですけど、中身はいつものドタバタで盛り上げてからのエモいクライマックスで締める、「ぼく勉」らしいエピソード。

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「ぼくたちは勉強ができない」20巻 より(筒井大志/集英社)

メタにベタにエンタメとしての「ザ・ラブコメ」に徹するプロの仕事ですけど、マルチルートといい2回行われた人気投票といい、読んでてちょっとメタ疲れしちゃった感じはします。

2回の人気投票は2回とも5人のヒロインの順位は変わらず、人気の序列を強化・固定化してしまうものでした。結果論だけど、人気投票がこの漫画の結末を難しくしちゃった感があるというか、読んでるこっちも虚心に読めなくなっちゃって、イベントとしては楽しかったですけど、終盤にきてなんかこう、人気投票、見なきゃ良かったなー…

アンケートの結果マルチルートになったけど、マルチルートならアンケート要らなかったというパラドックス、みたいな。

 

年上なのにロリ系小悪魔というキャラクター付けで、この子をマジにさせると作品が破綻してしまうので、本編エピソードで作者もなかなか扱いあぐねて「からかい上手」キャラとして肝心な場面で常に一歩引いて気持ちを韜晦させざるを、本気を封印せざるを得なかったあしゅみー先輩の、そのヒロイン力の本領が初めて解放されるお話です。

投票結果が何位だろうが、俺はこの子も大好きだったんだわ。

 

 

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