呪術・呪霊をめぐって特殊訓練教育機関な学園もの要素もありのダークな能力バトル漫画。ギャグコメ系の変化球な会話芸・顔芸と、直球シリアス展開のギャップ。
第116話「渋谷事変㉜」〜第124話「渋谷事変㊷」ということで、引き続き1巻丸ごと渋谷事変の途中。何かって言うと悪玉集団が渋谷で起こした大規模テロで、味方側も総動員の大規模バトル。
主人公の師匠で作中最強キャラの五条が封印されてピーチ姫状態、殲滅戦が五条救出作戦に移行。
各個に東京メトロ渋谷駅構内への侵入を図る呪術高専陣営と迎撃する呪霊陣営。ジャンプのバトル漫画らしい多方面での同時並行バトルで昼行灯な脇役たちの見せ場、見せ場、見せ場!
次巻で㊿に迫り、いよいよ51以降の丸数字のフォントどうすんだっていうアレなんですけど、1年近く「渋谷事変」をやってることになります。
巻数が少ない頃はダークでオカルトな世界観、チンピラじみたダークヒーローに沙村めいた下世話な会話芸コメディ、と増田なんかでも「呪術廻戦とチェンソーマンの区別がつかない」なんて書かれてたもんですけど、
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同じバトル中心の漫画でありながらもはやそれぞれ全然違う漫画になってきましたね。「チェンソーマン」は連載完結しちゃいましたけど。
ダイナミックでインパクトの強い展開と大胆な構図で読者の感情を揺さぶるチェンソーマンがバトルで強いのはデンジのメンタルはあれどロジック的には「最初から強いから」なのに対して、あくまでバトルで引っ張る「呪術廻戦」は独特ながら体系立てた強さの能書きを積み上げた緊張感で引っ張ってる感じ。両者のバトルシーンを見比べると、セリフやモノローグの量も質もまったく違います。
言ったらストーリー的にはこの1年全然進まず、コメディ描写もだいぶご無沙汰で、緩急のないままバトルの緊張感でずっと引っ張ってるだけで、敵味方のプレイヤーの数が徐々に減っていってるだけなんですけど、バトルの魅せ方や能書きの説得力が生み出す緊張感をひたすら深掘りして飽きさせない描かれ方はちょっとした見もの。
これとか普通「手抜き」っつって怒られそうなもんですけど、効果的ゆえに編集部にも読者にも当たり前のように許されてる感がありますよね。
あのアレ、「スラムダンク」が延々と山王工業戦やってたのを思い出しますね。
今巻も伏黒の起死回生の一手、伝説の式神・魔虚羅、両面宿儺の躍動、真人vs虎杖・釘崎、そして七海…と見どころ満載。
イチイチかっけーんだよなー。
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