#AQM

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#メイドの岸さん 1~2巻 評論(ネタバレ注意)

早瀬貴一郎(25)は若くして日本有数の企業グループを束ねる財閥の次期当主として辣腕を振るい、政財界でも一目置かれるリーダーだったが、生活面では病的にドジで生活能力のないポンコツ人間だった。

そんな彼を支えるのは専属メイドの岸さん。

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「メイドの岸さん」1巻より(柏木香乃/講談社)

岸さんはとても有能だったが「っス」口調でクールで無表情で無口で無愛想だった。

岸さん無しでは生きていけない貴一郎はあの手この手で岸さんの歓心を買おうとするが、岸さんはあくまでビジネスライクでクールなのだった…

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「メイドの岸さん」1巻より(柏木香乃/講談社)

という坊ちゃん&メイドさんの日常ラブコメ。

「ハンコ絵」というのはキャラの顔の描き分けや表情の描き分けができない絵描きに対する揶揄の言葉ですが、この作品では演出意図を持ってヒロインが常にハンコ絵で描かれます。

無口なヒロインというのは何を考えているか知りたくなるし、無表情なヒロインは別のいろんな表情が見たくなるものですが、そうした心理を上手いこと突いたコメディ漫画。

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「メイドの岸さん」1巻より(柏木香乃/講談社)

クーデレさんヒロインのコメディは決して少なくないですけど、この作品は持ち点のすべてをそこにブッ込んだだけあって、とにかくデレ成分は描かれず、行間を察することを強いられます。クール:デレが95:5ぐらいな感じ。

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「メイドの岸さん」1巻より(柏木香乃/講談社)

そのわずかなデレの兆しを待って読み取ることが楽しい漫画。岸さん可愛いなオイw

意図してとは言え、こんだけ「ハンコ絵」を描き続けてこの作者が笑顔の描き方を忘れて描けなくなるんじゃないかと心配になるレベル。

少女漫画系っぽく見える絵ですけどマガジンブランドで、ちょっと見たらTwitter発の漫画なんですねコレ。漫画読者の性差のボーダーレス化は今に始まった話じゃないですけど、ジャンプ+といい、ここ最近は特に少年漫画のWEBブランドが少女漫画向けの才能を吸い取り始めてる感じがしますね。

 

メイドの岸さん(1) (マガジンポケットコミックス)

メイドの岸さん(1) (マガジンポケットコミックス)

  • 作者:柏木香乃
  • 発売日: 2020/10/09
  • メディア: Kindle版

 

正反対な君と僕 - 阿賀沢紅茶 | 少年ジャンプ+

作品が素晴らしいのはそうなんだけど、これを載せて作品と読者と出会う場所がジャンプ+なのか、集英社はもうそれでいいと見切ったのか、と思った

2021/01/07 08:10

b.hatena.ne.jp

 

(選書参考)

blog.livedoor.jp