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#シメジ シミュレーション 2巻 評論(ネタバレ注意)

中一で学校が嫌になり、科学者?の姉と二人暮らしの団地の押入れに引きこもっていたら頭からシメジが生えてきた月島しじまは、一念発起して押入れを出て受験して高校に通うことにした。

高校では読書をして他人との交わりを持たないつもりだったが、頭に目玉焼きを乗せたメガネっ子の山下まじめがグイグイくるので、友達になる。

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「シメジ シミュレーション」2巻より(つくみず/KADOKAWA)

2人は穴掘り部に入部したり、美術の授業を受けたり、ファミレスに行ったり、頭のシメジが増えたり、学校をサボったり、お泊まり会をしたり、姉の作ったおかしな機械でおかしな夢を見たりする。

「少女終末旅行」のつくみず先生の現作は、女子高生2人の少し不思議なんかファンタジーなダルくてユルくてアンニュイな不条理日常4コマ。

4コマ漫画ですが、半分ギャグコメディ、半分は詩という感じ。

割りと意味不明な漫画ですけど、2巻になって意味がわかったというよりは、意味不明さに慣れてきて楽しく読めました。もともと意味不明なことは我々が暮らしている世界にも多いので、意味不明とつきあうことは思ってたより簡単です。

前衛的で文学的なアンニュい作品で、「解体されたポストモダン構造におけるどーたらこーたら」みたいな文章で解説できたらかっこいいと思うんですけど、学がないので難しいです。

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「シメジ シミュレーション」2巻より(つくみず/KADOKAWA)

強いて似た感覚を上げれば、学校や会社を特に意味もなくサボって布団の中で二度寝を決め込む時の心地よさに似ている漫画です。

自分がこうしている間にも世界は回って動いて同級生たちも勉強や運動や恋などをして成長しているというのに、自分だけ時間も成長も止めてしまっていることに対する後ろめたさや憂鬱と、でも布団の柔らかくて温かい感覚が気持ちよくて、半分寝かかって微睡んで意味不明な夢を見ては意識を取り戻すのを繰り返すような、あの感覚に似ています。

今巻にもチトとユーリがカメオ出演し、ヒロインと同じ団地に住んでることが明かされますが、その辺でバーベキューをしてるだけの出番で意味不明です。

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「シメジ シミュレーション」2巻より(つくみず/KADOKAWA)

意味不明なことは自分でもちょいちょいやりがちなので、意味不明なことを意味不明なまま置いておいて許してくれるこの作品は、読んでてなんだか安心します。

今度また会社を無意味にサボったときにまた読み返してみよう。

 

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