

なんでも白黒つけないと気が済まない性格で生きづらさを感じる女子大生・白星クロエ、通称"クロ"(18)。その性格が災いして?バイトをクビになった帰り道、近所の粗大ごみ捨て場でケージごと捨てられている謎の生き物を見咎めて一時保護のため連れて帰る。
謎の生き物はニジイロテンゴクオウム、通称"ハッピーマウス"。人のような顔、虹色の羽毛、たどたどしく人語を話す、鳥類か哺乳類かも判然としない、国内での飼育例自体が貴重な謎の生き物だった。いろいろあってクロはニジを飼うことを決意する。
「かんなぎ」の武梨えりの最新作。ご存知のとおり画力は申し分なし、シリアスとコメディの緩急も巧み。
今巻で完結。
新刊が出るのを知らなくて、今朝方、作者のツイートで知りました。
新刊が出るのも、それが完結巻なのも、寝耳に水だったのでびっくりした。

「ニジとクロ」3巻より(武梨えり/一迅社)
どんどん語彙が増え、文章として意味を持つ言葉を発するようになり、歌を歌い出したニジ。
初めて芸能人(歌舞伎役者)にハマったクロに対し、嫉妬の感情も見せるようになる。
ニジイロテンゴクオウムは飼い主に恋人ができたり結婚したりするとストレスで死んでしまう、飼い主に「一生独身か、ニジイロテンゴクオウムを死なせるか」の選択を迫る難儀な生き物だった。クロの決断は果たして…

「ニジとクロ」3巻より(武梨えり/一迅社)
5巻ぐらいはやるんかなと思ってたんでびっくりしましたけど、作品の締め方としてこれしかないだろうなーという終わり方。
20年前だったら賛否両論だったかもしれないエンディングなのかな? ある価値観の人々には狂気じみて映って、許せない展開かもしれない。
呑気なルックスや展開の割りに重めの設定ということもあって、あんま引っ張ると辛い展開が長引いて重さが出てしまってこの作品らしくないことになりそうな気もして、意外なようで3巻での完結はベストなんかもしれんね、と思ったり。

「ニジとクロ」3巻より(武梨えり/一迅社)
正直、急展開もあって唐突感はちょっとありましたけど、自分の個人的な属性もあって、この終わり方は好きだし支持します。
けどやっぱ、もうちょっと読みたかったなー、もっとニジのこと知りたかったなー、ってのはありますねw
次回作も楽しみにしてます。お疲れ様でした。
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