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さみだれや 読んだ漫画と ウマ娘

#ぼくたちは勉強ができない 21巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

かつてTVでトレンディドラマがその隆盛を終えようとしていた時に放送されたのが、織田裕二と鈴木保奈美が主演の「東京ラブストーリー」でした。非常に評価が高かった同作は「トレンディドラマが打ち上げた最後の花火」と評されました。

関係ない話ついでにもう一つ、ロックバンド「ユニコーン」がかつて解散した時、解散宣言をするラジオで最後に、既に脱退していた川西のドラム抜きの「すばらしい日々」がラジオで流れたのだそうです。


同級生ヒロイン3人+先輩ヒロイン1人+先生ヒロイン1人、受験勉強がテーマ、過去の蓄積に立脚した週刊少年ジャンプの最新鋭の看板ラブコメ。

最新鋭すぎて実験始めやがったというか、終盤にきてまさかの5人のヒロインごとのマルチエンディング展開。巻頭のあらすじを見るに、うるかルートが正史扱いで、残り4人のヒロインがifルート扱いのようです。

 

ということでラストを飾るのは社会人の教師ヒロイン・真冬先生編。

作品としては文系がメインヒロインであって欲しいと文乃メタ推しでしたが、個人的には真冬先生が一番好きなヒロインです。

高校生活から数年後、教師として母校の教師となった唯我は、真冬先生の同僚となる。 

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「ぼくたちは勉強ができない」21巻より(筒井大志/集英社)

から始まる中編エピソード。

一人暮らしを始めたら向かいのマンションの向かいの部屋が真冬先生の部屋だったりと、今巻も臆面もなくご都合主義の偶然を重ねた「ぼく勉」らしいドタバタバカコメ。

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「ぼくたちは勉強ができない」21巻より(筒井大志/集英社)

作品全体の話とこのエピソードの話は本当は分けて話したいんですが、理由があってやっぱり分けがたく感じます。

が、この真冬先生のエピソード自体は、「ぼく勉」らしさにあふれた良エピソードです。

真冬先生は唯我のアンチテーゼとして出したはずが、思わぬ人気を博して2回の人気投票でいずれもぶっちぎりでトップに輝くなど、正直「ぼく勉」の作品としての運命をねじ曲げてしまった強力な存在です。

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「ぼくたちは勉強ができない」21巻より(筒井大志/集英社)

またかと思われるかもですが、「GS美神」のルシオラや「Re:ゼロ」のレムを思い出します。

ですが、いくら人気があってもメインヒロインに持っていくには、少年漫画であり更に昨今の情勢を鑑みても、成年の教師と未成年の生徒の恋愛成就を描くことは難しかったでしょう。

ということで穏便に「数年後」「唯我が社会人になってから」、更に「マルチルートの一つ」として描かれました。自分はエンディングがマルチルートになった苦渋の決断のメタな理由は、真冬先生のためだったろう、と勝手に思ってます。物議を醸すことも覚悟の上だっただろうとも。

唯我のモノローグももメタ的ですね。

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「ぼくたちは勉強ができない」21巻より(筒井大志/集英社)

 

いつからかと言えば、2巻の184ページからだよスットコドッコイ野郎。

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「ぼくたちは勉強ができない」2巻より(筒井大志/集英社)

クールビューティだけど実は生徒思いの優しい女教師が、休日コンビニ前でジャージで肉まん立ち食いしてるのを見た時から、ギャップで恋に落ちたんだよ。

 

自分はハーレムラブコメであるこの作品が、特にヒロイン同士の横のつながりが仲良くて好きでした。

良いエピソードです。良いエピソードなんですけど、

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「ぼくたちは勉強ができない」21巻より(筒井大志/集英社)

文乃も理珠もうるかもあしゅみー先輩も出席していない唯我と真冬先生の結婚式に、「これが見たかったぼく勉のエンディングだっただろうか」「自分が好きだったのはこれだっただろうか」と、ドラム抜きの「すばらしい日々」を聴いたように少し寂しくなりました。

作者や作品の問題というより、ここ数年ずっといろんな作品で終盤が荒れ続けてきたハーレムラブコメというジャンルの、金属疲労的な構造的な限界かもしれません。

 

楽しくて大好きな作品だけに、この作品の完結をもって、自分はもうハーレムラブコメを読むのはやめよう、と思っていました。ハーレムラブコメでこれ以上は無理なんだと。

この先、世間的にハーレムラブコメの人気が続いていくのか、人気ラブコメの描かれ方が移り変わっていくのかわかりませんが、自分にとってこの作品は「ハーレムラブコメが打ち上げた最後の花火」だったなあ、と思います。

 

いや、そんなん言いながら、「カノジョも彼女」がハーレムラブコメの骨を拾ってくれるんじゃないかと期待しているんですけど。

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初の週刊連載、お疲れ様でした。ヒロイン全員大好きでとても楽しく読んだ4年間は自分にとってすばらしい日々でした。

 

 

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