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#望郷太郎 4巻 評論(ネタバレ注意)

「デカスロン」「へうげもの」の作者の現作。

突如地球を襲った大寒波に際し、財閥系商社・舞鶴グループの創業家7代目、舞鶴通商のイラク支社長・舞鶴太郎は、駐在するバスラで極秘に開発させていた冷凍睡眠シェルターに妻と息子を伴って避難。1〜2ヶ月の冷凍睡眠で大災害をやり過ごす心算だった。

太郎か目を覚ますと、隣で眠っていた妻も息子もミイラ化し、装置が示す数値はあれから500年が経過していることを指し示し、シェルターの外には廃墟と化したバスラの街並みが広がっていた。

人が絶えたように見える世界を前に太郎は、自らの死に場所を娘を残してきた故郷・日本に定め、長い旅路を歩き始める。

旅路で出会う、わずかに生き残った人類たちは、過去の文明の遺産を再利用しながら、狩猟と採集で食いつなぐ原始に還った生活を営んでいた。

で始まるポストアポカリプスなサバイバルなロードムービーもの。

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「望郷太郎」4巻より(山田芳裕/講談社)

としてスタートした作品ですけど、もう既にジャンルが少し変わったというか本質が表れていて、実態は原始環境における経済もの、「金と人間」をテーマにした作品に。

作りは「なろう」の転生チートに似ています。

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「望郷太郎」4巻より(山田芳裕/講談社)

主人公の強みは、「前世」で経済人として活躍した知識や先見の明を活かして、通貨経済の黎明期の世界を手玉に取ること。

これに原始生活のサバイバルらしいバイオレンス要素が加わってスリリングに。描写ちょいちょいエグいけどね。

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「望郷太郎」4巻より(山田芳裕/講談社)

この「経済力を暴力が全部ひっくり返してしまう」危うさによるバランスが非常に効いてて、続きがとても気になります。

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「望郷太郎」4巻より(山田芳裕/講談社)

そうだ。人間たるもの、金に使われてはダメなんだ。

金は道具だ!人間が金を使いこなしてナンボだ!

だから我慢せずにウマ娘に課金してもいいんだ!(そうじゃねえよ

 

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