長年連れ添った津軽弁の農家の老夫婦・正蔵とイネは、ある夜目覚めると二人とも青年期のイケメンと美女の姿に、特に理由もなく若返っていた。
若返った二人に孫娘ははしゃいで甘え、息子の嫁はときめき、息子は動揺し、老人会はざわついたが、60年近く連れ添った二人はそこまで動じることもなく、しかし少しずつ若返った身体でのかつての日常を取り戻していく。
という理不尽ファンタジーな日常コメディ。
出オチの一発ネタの割りに日常ネタで楽しく続いて3巻。
日常ネタ切れのブーストなのか、前巻でじいさんが若返りからじいさんに戻ってしまう転機が訪れて、「およ3巻4巻ぐらいで畳むのかしらん」と思ったんですけど、今巻で再びじいさんが若返りました。
楽しい日常コメディでうやむやになってますけど、実際に神様が人間に対してやったら気まぐれで生命や人生を弄んでいるような残酷なことを、作品の都合で作者がキャラに対してやってるような気はします。キャラへの愛がないわけじゃなんですけど。
コメディ要素としての出オチの一発ネタとして彼らの将来や人生に対して見ないふりをする選択肢もあったとは思うんですけど、そこにも手をつっこんでいって。
意外と重たいテーマを軽いノリで描いたら思ったよりヒットしちゃった、ってのもあるとは思うんですけど、不老不死をテーマにした作品も多い昨今、最後どう畳むんですかね、この漫画。
「地方」や「老い」に対して作者がある程度真摯に向き合っているのは伝わってきます。「不老不死」的な人生に向き合わされることになるキャラについてはどうでしょうか。
日常コメディだしもうちょっと軽く読んで楽しめばいいのに、と自分でも思うんですけど、ちょいちょい真面目というかシリアスなだけに、いろいろ考えちゃうんですよね、この作品。
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