名門の子女が集う名門学園の生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐや。プライド高いエリート同士、美男美女同士の「告白した方が負け」。稀代のラブコメメーカーによる恋愛マウント駆け引きバトル、現役最強ラブコメ。
「信者」と言っていいぐらい自分はこの作品が好きなので、新刊の度に何を書こうか悩ましいです。褒め言葉のバリエーションがあんまり多くないので。
白銀とかぐやが3年生になり、新キャラも登場し、飛び級でスタンフォード大進学を決めた白銀に残された高校生活は残り4ヶ月。
四宮家と四条家の暗闘が本格化し、
かぐやを自由にするために四宮家と戦う決意をする白銀。
と縦筋はいたってシリアスながら、並行してギャグコメディなラブコメディも進行し、
甘いものとしょっぱいものを交互に口にしていると食べる手が止まらなくなると言いますが、そんな感じです。
前作はそこまででもなかったんですけど、シリアスと見せかけて落とし、ギャグと見せかけて深刻に進行する、この作品以来の作者の手癖になってる感じ。
「ハコヅメ」も似たようなで、今の面白い漫画のトップ層はそういう感じなんかな、と2作品の信者である自分などは思います。
重いだけの巻は、読み返すのも気が重くなるもんね。
ネタバレですが、今巻で白銀とかぐやの関係は節目を迎えます。
多くのラブコメにおいては最終回近くか、もしくは最終回の後のイベントなんですけど。そうなってもまだ描いていけるというか、それよりも大きなクライマックスがまだ残されているというか。
四宮家との戦いに勝利した暁には、婿入りして四宮家の総帥になったりするんかしらね、とか思ってたんですけど、
この人もしかしたらエピローグで日本の総理大臣か、アメリカの市民権を得て大統領になっちゃうのかもしれないな、とちょっと思いました。円熟を迎えつつもどこか厨二病気質も抜けない作者のやることですし。
早く続きを、最後まで読んでしまいたいような、反面、永遠に完結せずに続いてほしいような複雑な気持ちです。オーバーな言い方をすれば「めぞん一刻」以来の漫画史に残るラブコメの名作になるかならないかの瀬戸際のクライマックスに、まさにこれから立ち会うような気持ち。読んでるだけなのに緊張してしまいます。
はあ。また肩に力が入りすぎて、変な感想文を書いてしまった。
どうか作者には肩の力を抜いて、最後まで踏み外さずに渡り切ってほしいと思います。
aqm.hatenablog.jp