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#山を渡る -三多摩大岳部録- 4巻 評論(ネタバレ注意)

伝統の三多摩大学山岳部は人数不足で廃部の危機に瀕していた。部員は3年2人、2年1人のわずか3人。

新入生で見学に来たのは、秋田生まれの運動嫌い、長野生まれの虚弱体質、北海道生まれの読書好きの3人の少女だった。先輩部員たちはなんとしても逃がすものかと、正式入部に向けてあの手この手で勧誘する。

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「山を渡る -三多摩大岳部録-」4巻より(空木哲生/KADOKAWA)

全然ユルくない登山をHARTAコミックスらしく文学的にハイテンションに。「登山漫画」というより「登山部漫画」。

今巻は南アルプスは鳳凰三山で、1年生初の2泊山行。

ハルタっぽいというかモーニング・アフタヌーン系っぽいですよね。そもそもハルタとモーニング・アフタヌーン系のイメージが自分の中で近いってのもあるんですけど。

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「山を渡る -三多摩大岳部録-」4巻より(空木哲生/KADOKAWA)

自分は登山は全然しない人間で、小中学校時代の山登り遠足的なやつと、あと小学生の時に家族で富士山に登ったぐらいなんですけど、危険なイメージもありますけど一番はしんどいのあんま好きでないので。

ただ富士山に登った時の記憶は結構強く残ってて、標高が高くなるにつれてだんだん酸素が薄くなってしんどくなってきて、そっから水飲んだり一晩寝たりしたら笑えるぐらい回復する気持ちよさとか、登頂したときの達成感とかはよく憶えてます。

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「山を渡る -三多摩大岳部録-」4巻より(空木哲生/KADOKAWA)

あのしんどさからの解放が病みつきになったらハマる基本的にマゾのスポーツかなとw

高山病に限らず体調が悪い時って感覚が鋭敏になるのか、空気の匂いや温度や湿度とか食べたり飲んだりしたものの味とか、鮮烈に憶えてるのを忘れてたんですけど、そういう漫画に映らない嗅覚・味覚・触覚の記憶を呼び覚ますのが不思議と上手い漫画だなと思います。

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「山を渡る -三多摩大岳部録-」4巻より(空木哲生/KADOKAWA)

話としては大学生が山登ってるだけの話なんですけど、身体的な記憶というのか、デジャヴではなくて確かにあった記憶を久しぶりに呼び起こされて、「あーそんな頭で考えるほど登山苦手じゃないというか、結構好きだったのかもしれないな」と思いました。

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「山を渡る -三多摩大岳部録-」4巻より(空木哲生/KADOKAWA)

だからってじゃあまた登るか、ってなる歳でもないんですけどw

はあ、若いっていいよな。甲府駅で寝てた50歳のおっさんの含めて、こいつらが羨ましいだぜ。

 

 

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