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#ワンダンス 6巻 評論(ネタバレ注意)

共感性羞恥でダンスを観ることすら苦手な新入生・小谷 花木(こたに かぼく♂)、通称「カボ」。

長身でバスケ部出身、吃音症(どもり)で言葉での自己表現が苦手、他人に合わせて生きつつどこか窮屈さを感じている少年が、高校でダンスに夢中な少女とダンス部と出会う、ボーイ・ミーツ・ディスティニーなダンスもの。ジャンルで言うと「ストリートダンス」でいいのかな?

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「ワンダンス」6巻より(珈琲/講談社)

初心者ながらバスケ経験者で運動神経は良好、長身なのでダンスも映えるという素質持ちの主人公が部活のレッスン、コンテスト、ダンスバトルを通じてダンサーとして開花していくオーソドックスな展開。

今巻も前巻・前々巻に続き、高校生ダンスバトル大会の、一冊まるごと「試合巻」。

"カボ"vs因縁持ちの"壁"の準決勝の開始と決着、そして先に決勝進出を決めた伊折が待つ決勝戦。

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「ワンダンス」6巻より(珈琲/講談社)

ストーリーとしては踊ってるだけ、因縁少々、という感じで、メインの見所はダンス描写のウンチクと、なんつったって絵です。

「動いているものの表現は動画に限る」、必ずしもそうでもない理由として、カメラアングルの問題、被写体に対してカメラの位置が必ずしも自由ではない、というのがありますが、いわゆる「奇跡の一枚」問題。

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「ワンダンス」6巻より(珈琲/講談社)

その動き・存在を最も象徴する瞬間を、写真は切り取ることができ、絵はなんだったら画者の能力の範囲で画角と瞬間すら「捏造する」ことができる、というのは強力だなあ、と。

「ムラサキ」も次巻で完結してしまうので、いよいよもってダンス漫画のジャンルはこの作品の独壇場になっていくのかなと思いますが、そもそもこの作品たちは一体どこを目指しているのか、何になろうとしているのかと、少々呆れ返ってしまう面もあります。

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「ワンダンス」6巻より(珈琲/講談社)

作者がどういう経歴なのか存じ上げないんですけど、10年後たぶんアンタ漫画描いてないでしょ的なw

正直あんまり漫画向きではないこのテーマを、絵のかっこよさで力づくで面白く読める形に成立させちゃってんのは結構ものすごいので、是非このテンションでダンス漫画を描き続けて欲しいものですけど。

 

 

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