特装版と間違って買ってクレームになったらややこしそうだな、とは思うんですけど、電子書籍版の表紙の「通常版」の表記がダサいの、どうにかならんかw
祖父の弟子として雛人形作りの職人を夢見て修行中も、趣味がなくぼっちな男子高校生(15)と、スクールカースト最上位だけどオタク趣味のコスプレ好きで裁縫下手なギャル(15)のクラスメイトのボーイミーツガール。
ひょんな縁でギャルに衣装の講評を頼まれ、ガチでダメ出ししたら泣かれて土下座で謝った流れで、コスプレ衣装を作ってあげることに。
青年誌に載っちゃった少女漫画というテイで、少女漫画の絵だけどテーマがテーマだけに青年誌のヤングガンガンだけに、着替えシーンやエロコスも多く読者サービス多め。
高校生の恋愛未満の男女が主人公のコスプレ青春もの、ということで、ジャンプ+の「2.5次元の誘惑」とバチくそカブってんですけど、まあしょうがないよねっていう。
割りと熱血少年漫画フォーマットのあっちに対して、こっちは絵も作話も少女漫画的なアプローチで、似たようなモチーフでも出方は違うもんだな、と読み比べてみると面白いです。
前巻に続いて文化祭編。
ギャルでコスプレなヒロインは、職人肌男子の力を借りて、クラスを代表して「男装ミスコン」に出場することに。
自分は高校時代は文化祭の間は部室にこもってずっと麻雀やってたような冷笑系のつまらない青春を過ごしたので、学園もの漫画で文化祭がフィーチャーされるたびに「('A`)?」という感じです。
作品の物語の中で文化祭で描きたいエピソード、もしくは文化祭でしか描けないエピソード、必然性というか、プロットと一体化した文化祭の描かれ方だったらいいんです。面白いから。
でも「ネタがないけど高校だし特に描きたいことがあるわけじゃないけど、とりあえず定番イベントで尺を埋めとくか」と、漫然となんのために描かれたんだかよくわからない面白くもない有っても無くてもどっちでもいい漫画の中の文化祭、けっこう多いんですよね。
学園もの・ラブコメものの「文化祭」「体育祭」「修学旅行」は、描き手のほぼ全員が描くせいで見比べやすく優劣がつきやすい、割りと要注意のイベントだと思ってます。
んで。
本作の文化祭ですけど、面白かったね、コレ。
作者が前から描きたくてウズウズしてたのが伝わってくるようなw
乱暴に言うと人間だいたい「家庭」「学校・職場」「趣味・競技」の3つのコミュニティを持っていて、近年の趣味もの青春作品の文化祭は、言わば「学校」の世界に「趣味」の世界が持ち込まれて交錯する非日常の交差点です。
本質的には「異世界なろうチート」と似たものだと勝手に思ってます。
「文化祭でバンドでライブ」妄想とかその典型で、クラスメイトが主人公を見直す(主人公がクラスメイトにドヤ顔する)絶好の機会です。
今巻はこの交差点で、クラスメイトに異文化であるコスプレの持つ良い塩梅のドヤ感、みんなで何かを成し遂げる一体感や達成感、それに主人公たちの人間的な成長が絡まって、胸熱で読んでて楽しい青春エピソードでした。
元ぼっち系男子が垣間見せる職人の世界の精神性の描写もかっこよかったね。
ちょっと「特攻の拓」というか、これからカチコミみたいなっとるけどw
非日常感を活かした、いい文化祭エピソードだった。ラブコメ的にはビタイチ進展してねえけどw
俺も部室で麻雀なんかしてねえで真面目に文化祭に参加するばよかったな。なにやったんだろ、うちのクラス。
あと話が全然変わりますけど、
クラスメイトのこの子が可愛かったです。
aqm.hatenablog.jp