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#【推しの子】 6巻 評論(ネタバレ注意)

地方の病院に務めるアイドルオタな産婦人科医師・ゴローのもとに双子を妊娠したお腹を抱えて訪れた少女は、彼が熱狂するアイドル・アイ(16)だった。驚きショックを受けたゴローだったが、身近に接するアイの人柄に魅了され、彼女の出産を全力でサポートしようと決意する。

だが出産予定日の当日、ゴローはアイのストーカーに殺害される。驚くべきことに、ゴローはアイが出産した男女の双子のうち一人として転生する…

「かぐや様」の赤坂アカの作話を「クズの本懐」等の横槍メンゴが作画、という期待作。

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「【推しの子】」6巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

要約すると二周目人生は伝説のアイドルの双子の子どもだった転生チートな芸能界サクセスストーリー、ミステリー付き。

縦軸はありつつも、横軸は主人公の2人が芸能界の様々な仕事を渡り歩いて、作者が見知った芸能仕事の機微を描写していく建て付けに。アイドル編、リアリティショー編ときて、今巻から新章「2.5次元舞台編」。

超人気少年漫画を原作に若手の人気の役者を集めて2.5次元化する舞台に出演することになったアクア。しかし、舞台の稽古は気難しい原作者(漫画家)を前に多事多難だった…

というわけで、大ヒット漫画原作の2.5次元舞台「東京ブレイド」に向けた役作りと稽古、そして巻の途中から本番へ。

若手のホープたちがそれぞれのライバルと火花を散らす中、ゴローの転生体・アクアはトラウマによって感情演技に支障をきたしていた…

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「【推しの子】」6巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

という、「芸能界ものミステリー」というよりは「熱血演劇もの」という風情の6巻。

「ガラスの仮面」が継続的に描かれていたり、あるいは「アクタージュ」が打ち切りになっていなかったりしていたら、今巻のネタ被りで描かれなかったかもしれないですね。

というぐらい、若手舞台俳優同士のプライドが激突し高め合う舞台、という感じ。マジ「ガラスの仮面」かよ。

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「【推しの子】」6巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

作品の千両役者・アクアの見せ場はまだ後なのと、第一人者たる姫川が未だに全貌を見せていなくて、脇役が頑張ってる繋ぎの巻、とも言えますけど、まあ面白く読ませること。

すごい局地戦に入り込んじゃってるというか、この漫画これでいいんだっけこんな漫画だっけ?

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「【推しの子】」6巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

という気がすごくしつつも、当初から一貫して描かれてきた「観てる側の目に映らない、"やってる側"の情熱」としては正しいような気もするし、「かぐや様」をみても局地戦を真摯に一生懸命やった積み上げが縦軸に効いてくる、という展開が好きそうな作者ですし、まあなにしろその局地戦が面白いからいっかw っていう。

 

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