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#薬屋のひとりごと 9巻 評論(ネタバレ注意)

なろう小説のコミカライズ。古代中国の華やかな後宮を舞台に、美女ありイケメンありミステリーあり。

人攫いに後宮の下女として売り飛ばされた薬師で毒マニアの少女・猫猫(マオマオ)が、謎のイケメン高官・壬氏(じんし)の引き合いもあって上級寵妃のお付きの下女として、華やかな後宮内で起こる難事件を薬と毒の知識と花街出身の度胸で解決する時代ものの探偵もの。ちょっとラブコメも有り。

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「薬屋のひとりごと」9巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

ガンガンとサンデーGXでそれぞれ同時にコミカライズされていて、サンデー版も出来物だと聞きますが、間違って読んでない方の続巻を買ってしまわないように気をつけましょう。

事件?謎?が3編、プラス次巻に続く1編の、ショートエピソード巻と言う感じでコナンとか古畑任三郎な雰囲気。

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「薬屋のひとりごと」9巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

勧善懲悪というよりはヒロインが謎を解いて自分の利害を満たしたらそこで終わり(逮捕・検挙が目的ではない)という感じで、「犯人(たち)がその後どうなったのか」は描かれないことが多く、人によってはモヤモヤが残るというか、「大人な幕引き」のエピソードが多めですけど、自分はこれ系のモヤモヤは結構好きです。

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「薬屋のひとりごと」9巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

毒マニアの薬師が主人公って一見変化球のようでいて、「事件」の舞台は後宮ということもあり、「被害者」「犯人」もその多くが女性で、かつ犯行が(地位を損なわないよう)秘密裏に行われるケースが多いことを考えると、殺人の手段が「毒殺」に偏って主人公が薬師なのは、よく考えたら必然だったんだな、とか思いました。

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「薬屋のひとりごと」9巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

自分が「ミステリー風」好き、ってのもあって楽しく満足して読んでますが、本格的なミステリーマニアからしたら「毒」の存在、それを識る主人公の存在が作者の匙加減すぎてややファンタジーなのかな?と思わなくもないです。

権謀と愛憎が渦巻く後宮の人間関係、「人間が人間にこんな感情を抱き、こんな行動をとるのか」というところがこの作品の勘所なのかな。

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「薬屋のひとりごと」9巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

マイルド?な「黒の章」とでもいうか。

まあ犯罪やその解決をテーマにした作品は大抵そうなんですけど。

 

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