#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#ウマ娘 シンデレラグレイ 5巻 評論(ネタバレ注意)

実在の競走馬を美少女擬人化した育成ソシャゲ「ウマ娘」の派生コミカライズ。

日本の競馬史に残る名馬・オグリキャップの現役時代をモチーフにしたスピンオフ。

1〜2巻で地方レース(カサマツ)編が終わり、前巻から中央に移籍。

ウマ娘世界観でいう「中央トレセン学園」に編入し、並み居る名バ達と本格的にシノギを削る展開に。

f:id:AQM:20211218015011p:plain

「ウマ娘 シンデレラグレイ」5巻より(久住太陽/杉浦理史/伊藤隼之介/Cygames/集英社)

カワヨ。

モチーフとなった史実が日本競馬史上最大級のシンデレラストーリーにして、トウカイテイオーと並ぶ日本競馬史上最大級の復活劇というドラマで、かつ魅力的なライバルにも恵まれていた馬のお話なので、更にifを加えた作話の骨組みの時点で優勝です。ありがとうございました。

クラシック年の秋、オグリキャップのG1初挑戦は天皇賞・秋。現役最強ウマ娘・タマモクロスとの初対決!

f:id:AQM:20211218014912p:plain

「ウマ娘 シンデレラグレイ」5巻より(久住太陽/杉浦理史/伊藤隼之介/Cygames/集英社)

というわけで、天皇賞・秋のスタートから決着までを、巻の半分以上を費やして収録する「試合巻」。

競馬の史実に準拠してるので、結果を知って読んでると「どっちが勝つか」のハラハラ感はないんですけど、代わりに大河ドラマ的に「知ってる史実がどう再現・表現されるのか」という別の楽しみが生まれます。

レースのシリアスな描写と幕間のコミカルなユルさのメリハリ・ギャップが楽しい漫画ですけど、レースにページが割かれた分、描写的には「ハリ」が強めに出つつ、作品全体を俯瞰すると「メリ」に当たる巻。

f:id:AQM:20211218014927p:plain

「ウマ娘 シンデレラグレイ」5巻より(久住太陽/杉浦理史/伊藤隼之介/Cygames/集英社)

こうして見ると、モデルになったサラブレッドの方のオグリキャップ、あらためて少年漫画の主人公みたいなドラマティックなウマだなあ…

余談ですけど、「『シンデレラグレイ』は『プリティダービー』じゃない」は界隈でよく言われますけど、この巻あたりからそもそもパラレルな存在であるソシャゲ版・TVアニメ版と一線を画す特徴が表れてきまして、

一つ目は時制で、ソシャゲ版・TVアニメ版では「オールタイム・オールスター」世界観で主役・脇役を問わず登場していたオグリキャップ世代移行のウマ娘、スペシャルウィークやトウカイテイオーなどの名バたちが、物語のノイズになるせいか、脇役としてすら一切登場しません。

f:id:AQM:20211218014950p:plain

「ウマ娘 シンデレラグレイ」5巻より(久住太陽/杉浦理史/伊藤隼之介/Cygames/集英社)

二つ目は、ソシャゲ版・TVアニメ版でははっきり描かれなかった「トゥインクルレースからの卒業」が、それが「引退」なのかは不明ながら、どうやら描かれる作品のようだ、という点。

「史実の時制の厳守」と「卒業」という他メディアの「ウマ娘」には存在しない縛りの存在によって、オグリキャップ自身の「現役の間の」軌跡が史実と変わることは多分ないと思うんですけど、いつも腕組んでレースを見守ってるシンボリルドルフなどの先輩ウマ娘は一体どういう扱いなのか、史実でオグリキャップより先に引退したタマモクロスなどの「卒業」はどう描かれるのか、ストーリー以外のところで先々の展開が少し楽しみです。

f:id:AQM:20211218015029p:plain

「ウマ娘 シンデレラグレイ」5巻より(久住太陽/杉浦理史/伊藤隼之介/Cygames/集英社)

「シンデレラグレイ」以外のウマ娘って、「引退」の存在がタブーというか、今のところ一切描かれていないんですよね。

さて、サジタリウス杯に向けてうちのオグリの育成も頑張ろう。

f:id:AQM:20211218023400j:plain

なんで長距離Sがついてくれないんですかあああああああああああああああああああああああ

 

aqm.hatenablog.jp

aqm.hatenablog.jp