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#猫と竜 3巻 評論(ネタバレ注意)

親を喪い、卵から孵化した瞬間から、言葉と魔法を操る「森にすむ猫」(ケットシー)の子猫たちと一緒に母猫に育てられた竜。

自らを猫だと思い込んで育ち、長じて空を駆け火を吹き人間から「皇竜」と恐れられる存在となっても、その恩返しに猫の子孫たちの親代わりに狩りと魔法を教えその守護者を務めていた。

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「猫と竜」3巻より(佐々木泉/アマラ/マンガボックス)

ある日、森の猫を害したことからかつて竜が罰を与えた人間の王国に、森で育った猫の1匹がきまぐれで訪れ、幼い王子と親交を持つ。

猫の身を案じた竜は、再び人間の街に降り立つ…

で始まるファンタジーもの。もとは「なろう」小説、のコミカライズとのことです

竜と猫と人と魔法にまつわる、少し哀しく、とても優しいファンタジー作品。童話、おとぎ話のような牧歌的な世界観を表紙がよく表しています。

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「猫と竜」3巻より(佐々木泉/アマラ/マンガボックス)

森で猫に育てられ長じて恩返しに猫を育て続ける竜。竜に育てられた猫は長じて世界各地へ。ある者は人の冒険者たちを見守り、ある者は人の勇者の師匠となり、ある者は人の王の良き友人となり、ある者は再び森の土に還る。

そういうお話。

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「猫と竜」3巻より(佐々木泉/アマラ/マンガボックス)

生命が生まれ育ちやがて地に還る間に、竜と猫と人とが織りなす美しい営為を童話的に印象的に情緒的に。

作品はお話・絵ともにとてもマッチしていて素晴らしいんですが、「このマンガがすごい!COMICS」といういかにも各方面にシガラミが多そうなレーベルなせいか、未だに電子書籍版がいつ出るんだかよくわからないやり方が続いていて、損してる作品のように思います。

この巻も紙書籍は2019年の刊ながら、電子書籍化されたのは2021年のはずです。2020年末にチェックした際はまだだったので。

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「猫と竜」3巻より(佐々木泉/アマラ/マンガボックス)

毎日この作品の商品ページを「電子書籍化はまだか」とクリックし続けて暮らすわけにもいかず、こっちの読む態度も自然と後回しで「思い出した時に探して読む」みたいないい加減な扱いになってしまって、なんだかせっかくの作品にも、良作に仕上げた作家陣にも申し訳なく思いますね。

 

猫と竜 (3)

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