AQM

I oppose and protest Russia's invasion of Ukraine.

#売国機関 6巻 評論(ネタバレ注意)

東西の大国に挟まれ緩衝国として強制的に戦火の舞台にされた小さな共和国に、両大国の都合で今度は強制的に平和が訪れて一年。

強制された屈辱的な平和、両大国と唯々諾々と安保条約を結ぶ政権を、不満を募らせる左右の過激派は「売国奴」と罵り、暴徒・テロリストと化す。

前線で血を流し友を亡くしながら平和を勝ち取った「塹壕貴族」たちは、平和をすべての脅威から死守するべく、特務機関・軍務省法務局公衆衛生課独立大隊「オペラ座」、蔑称「売国機関」を設立。「平和の敵」と化した市民たちへ銃を向けた。

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「売国機関」6巻より(カルロ・ゼン/品佳直/新潮社)

お前も向けたやんけw

「幼女戦記」原作者による情報・防諜・公安もの。

主人公たち共和国の東に位置する大国である王国のタカ派の大使が前巻までで更迭、ハト派のやり手が後任として着任した直後に、正体不明の少数部隊が王国側から共和国に越境侵入し挑発行為を開始。共和国-王国間の国境周辺は緊張状態に。

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「売国機関」6巻より(カルロ・ゼン/品佳直/新潮社)

楽しそうすぎるぞw

政治的に穏便に事態の収束を図るべく指揮官としてオペラ座に送り込まれたのは、オペラ座の中心で愛国者のロフスキ少佐と同格で、愛国心より軍務への忠実さを旨とする切れ者・フランソワ少佐だった。

混迷する事態への解釈と対応方針について、ロフスキとフランソワは水と油だった…

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「売国機関」6巻より(カルロ・ゼン/品佳直/新潮社)

今エピソードの軸はざっくり意訳すると

①愛国心(で権限の逸脱も辞さず自己判断で)で動く軍人か、軍務に忠実で逸脱しない軍人か

②敵方を、「一枚岩で合理的な敵」と見做すか、「統合の取れていないある種のアホ」と見做すか

の二軸でロフスキとフランソワが対立しますが、事態が進んで②の解釈が一致すると①の軸も採るべき正解に吸収されてしまって結局やること一緒じゃねえかw という感じはします。

フランソワもいいキャラしとるね。

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「売国機関」6巻より(カルロ・ゼン/品佳直/新潮社)

②の軸はフィクションでよく見る「犯罪者側がプロであれば警察・公安側とある種の信頼関係が築ける」に少し似てますね。

駆け引きが通じるレベルにない相手は強権や暴力で殴ったもん勝ち、というw

今巻終了時点でエピソードは未完で、ぱっと見は王国ハト派の大使に「信頼関係が築ける対抗側」としての期待がかかる局面に見えますが、作者の意向というか流れ的には反対側の連邦の出方に重点が置かれるようで、「再度の開戦」は作品的に論外としても、自分には落としどころがまだ見えません。

次巻が出るまでに、自分が連邦だったら、王国大使だったら、オペラ座だったら、連邦軍をどのように利用して自陣に益のある収束を図るのか、自分の宿題にしておきたいと思います。

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「売国機関」6巻より(カルロ・ゼン/品佳直/新潮社)

なんやろね、「選挙」がキーワードっぽいけど。

 

 

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