
資産家の子息ながら独立してトレーニングジムを開業したマッチョの朝緋智也(28♂)は、親の騙し討ちで財閥令嬢の女子高生・月ノ院瑠璃(16♀)と見合いをさせられ、これを断って破談とした。
が、瑠璃はまったくめげることなく、ぐいぐいアピールしてくるのだった。

「破談から宜しくお願い致します」1巻より(水島ライカ/スクウェア・エニックス)
瑠璃は10年前の財界のクリスマスパーティで迷子の自分を助けてくれた智也に一目惚れし、以来ずっと智也のことを想いながら、可憐に、そしてストーカー気味に育ってきたのだった…
瑠璃を可愛らしく思いながらも、実業家として未成年とのスキャンダルはノーサンキューで、また何度もヨリを戻してきた腐れ縁の別れた彼女がいたりして、結婚を前提にした交際に首を縦に降らない智也に対し、それでも瑠璃はめげずに「まずはお友達から」と食い下がる。

「破談から宜しくお願い致します」1巻より(水島ライカ/スクウェア・エニックス)
という、タイトルのとおりお見合いの破談から始まる恋愛もの、あるいはラブコメ。
マッチョでイケメンな主人公、可憐なヒロイン、と眼福な作品。
主人公に一目惚れ・片想いした箱入り娘で世間知らずのヒロインがグイグイくる展開ですけど、男の妄想というよりは少女漫画に近いテイスト。

「破談から宜しくお願い致します」1巻より(水島ライカ/スクウェア・エニックス)
ヒロインの動機がベタで単純ですけど、「まあ、わかる」という匙加減。
ヒロインの箱入り世間知らず故のズレっぷりが、高橋留美子作品出てくるお嬢様っぽい。
というか、この作品自体が響子さんがいない「めぞん一刻」の三鷹さんと明日菜のラブコメ、というと近いかもしれません。

「めぞん一刻」新装版12巻より(高橋留美子/小学館)
BS漫画夜話で「『尼になります』って現代劇のセリフじゃないw」と爆笑されてたセリフ。
28歳と16歳の年の差12歳の二人ですけど、良家のお見合いってそんなもんじゃね? 高校卒業を待って交際するなら別に良くない? という感じもします。
偏見かな。三鷹さんと明日菜も年の差そんぐらいよね確か。
「お見合いから始まる」って作品、なんだか久しぶりに見た気がしますね。

「破談から宜しくお願い致します」1巻より(水島ライカ/スクウェア・エニックス)
幼少期の出会い以来、主人公の情報を10年間、興信所を通じて収集し続け、指名のお見合いで片想いを成就させようとするヒロインって、よく考えると割りと怖いですけど、誌面上ではピンボケぶりも含めてとても可愛らしく目に映ります。

「破談から宜しくお願い致します」1巻より(水島ライカ/スクウェア・エニックス)
いろいろワケありそうな筋肉マニアで健康オタクな主人公を、がんばって口説き落としていただきたい。
aqm.hatenablog.jp
(選書参考)
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